実行機能障害とは|認知症の中核症状である実行機能障害の原因・症状・対処法・リスクを解説

実行機能障害とは|認知症の中核症状である実行機能障害の原因・症状・対処法・リスクを解説

認知症と実行機能障害

実行機能障害は認知症特有のものですか?
実行機能障害は認知症によって生じるものですが、知的発達障害や多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラムといった症状がある方は、実行機能の弱さが1つの課題となっている面があります。 とはいえ、認知症による実行機能障害は元々できていたことが脳の萎縮という変化によってできなくなるもので、発達障害などの場合と状況としては異なっているため、病状の進行によって発生するものとしては認知症特有のものということができます。

認知症の中核症状とはなんですか?
認知症によって生じる症状は、脳の萎縮という変化によって誰にでも引き起こされる中核症状と、本人の性格や環境といった外部要因が影響して引き起こされる周辺症状にわかれます。
中核症状としては実行機能障害のほか、物事を忘れてしまう記憶障害や、自分が今どこにいるかがわからなくなったり、他人を正しく認識できなくなる見当識障害、物事への理解や判断ができなくなる状態、言葉が出てこなくなる失語、お箸やハサミといった道具の使い方や、服を着るといった行動ができなくなる失行、見えているはずのものが認識できなくなる失認といった症状があります。

実行機能障害によって起こる可能性があるリスクを教えてください
実行機能障害があると、やろうと考えたことが思うようにできなくなってしまうため、生活そのものがままならなくなるというリスクがあります。
食事や排泄といったそれぞれの行為が適切に行えなくなってしまうことで、自立して生活することが難しく、介護者なしで生きていくことが困難になります。
また、やろうと思ったことができないことで心理的なストレスとなり、そのストレスが認知症の進行を早めてしまう可能性もあります。

編集部まとめ

実行機能障害は、認知症の中核症状の1つで、物事を効率的に進められなくなるといった障害です。
認知症は完全な治療方法は今のところありませんが、症状の進行を遅らせたり、リハビリによって生活力を改善させるといった対応は可能となりますので、医師に相談しながら、根気強くケアを続けていくことが大切です。

参考文献

初めての認知症介護|認知症介護情報ネットワーク
認知症の中核症状 | 健康長寿ネット
「実行機能」再考-発達障害研究の視点から | J-STAGE
医学的リハビリテーションプログラム | 国立障害者リハビリテーションセンター

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