中畑清と篠塚和典が語る、往年の長嶋茂雄と王貞治の間に漂っていた“独特の空気”<ダグアウト!!!>

中畑清と篠塚和典が語る、往年の長嶋茂雄と王貞治の間に漂っていた“独特の空気”<ダグアウト!!!>


「ダグアウト!!!」 / ※提供画像
3月11日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週月曜夜10:00-11:00、BS10)。
今回のゲストは、14年にわたって巨人一筋で活躍した”絶好調男”中畑清と、芸術的なバッティングで生涯打率3割、読売ジャイアンツのコーチも務めた篠塚和典が登場した。MCには熱烈な巨人ファンとして知られるビビる大木と平井理央を迎え、現役時代の知られざる貴重なエピソードを披露した。

■予想を覆したドラフト指名の裏側

中畑と篠塚は昭和の後期から平成にかけて巨人を支えた主力選手であり、中畑が3歳上であるものの入団はともに1975年で同期にあたる。2人が振り返るのは、ドラフト会議当日のこと。報知新聞の一面には「巨人ドラフト1位 中畑」という見出しが掲載されていたが、蓋を開けてみると1位指名を受けたのは篠塚で、中畑は3位であったという。

これに対して、篠塚は「結構根に持ってますね」とコメント。中畑は「(篠塚のことが)憎たらしくてしょうがない」と冗談交じりに返していた。

しかし、中畑にとって篠塚は「何をやっても強く、本当に良いライバルだった」とも振り返る。決して体が大きいわけでもなく、丈夫な選手ではなかった。それでも長時間の守備練習も難なくこなす姿に驚かされたという。一方、篠塚は高卒ルーキーとして入団したため、大卒で入団した中畑を見て「おじさんが入ってきたな」と当時の率直な感想を掘り起こして笑いを誘う。

巨人といえば2024年に4年ぶりのリーグ優勝を果たしたばかり。篠塚は正直なところ、阿部慎之助が監督に就任したばかりということもあって優勝するとは考えていなかったという。そのうえでこれほどまでに躍進した背景には、阿部の監督としての厳しい姿勢が大きいのではないかと分析。妥協を許さず、甘い体質を変えていったことでチーム全体が引き締まり、選手の質も変化していったと考えたようだ。

だが厳しい指導を続けるということは、選手以上に監督も辛く、勇気が要るもの。大きな覚悟をもってチームをまとめ上げた阿部のことを2人は高く評価しており、連覇も十分期待できるのではないかと分析した。

■「一挙手一投足を見るのが楽しみだった」長嶋監督の意外な素顔

巨人の黄金期を支えたレジェンドである中畑・篠塚がゲストということもあり、名選手の知られざる素顔も数多く披露された。「オーラがある男No.1」というテーマでは、2人は揃って「長嶋茂雄」と回答。プロ野球ファンに限らず、多くの人にとって納得の人選ではないだろうか。

入団当初、巨人の監督を務めていた長嶋を見たときのことを思い出す2人。“オーラの塊”のような存在であったため声をかけられず、一挙手一投足を見るのが楽しみのひとつだったと明かす。

ちなみに長嶋といえば、おっちょこちょいなイメージを抱いている人も多いかもしれない。華麗な守備と豪快なバッティングの反面、ちょっと”抜けた”一面とのギャップこそが広く国民に愛された一因のように思える。

しかし長年にわたって長嶋のことを見続けてきた中畑と篠塚は、自身の名前すら間違われたことはないという。数字にも細かい性格であったといい、スポーツバラエティ番組などで時折取り上げられる長嶋のイメージとは全く異なっていた。だが「すべてのファンを喜ばせることを常に考えていた人」ということは間違いなく、2人の目から見ても長嶋のそのような姿は強く印象に残っているという。

なおもう1人の巨人の大スターである王貞治は、2人が入団した1975年に現役選手として活躍していた。中畑は当時の4番であった王と並んで3番打者を務めていたことから、”新・ON砲”とも称されていたと照れながら紹介。少年のような笑顔を見せていた。

いっときは長嶋監督のもとで王が選手として活躍していたが、2人の間には独特の空気のようなものがあったとこぼす2人。多くの言葉を交わさなくても、お互いが理解し合えているように見えたそうだ。

■他球団を経験したからこそわかる巨人の恵まれた環境

2人は選手として巨人一筋で活躍してきたが、中畑はDeNAベイスターズでの監督経験もある。

球団が変われば環境も大きく変わるというが、実際に中畑は巨人と他球団を経験したことで「巨人は恵まれている」と肌で実感したという。身の回りの世話を含めて選手自身が雑用をすることはなく、ひたすら野球に集中できる環境が用意されているのは巨人ならではの大きな強みだ。

プロ野球といえば国民的スポーツであり、第一線で活躍し続ける選手は多くの人にとって憧れのスターであることは間違いない。選手がどのような生活を送り、どういった考えで試合に臨んでいるのかなど、リアルな実態を知る機会は決して多くないだろう。

貴重なエピソードを惜しみなく披露してくれる野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」は、普段の試合とは違った角度からプロ野球の楽しさを教えてくれる番組だ。


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