「NumberTV」第2回は、元プロ野球選手・清原和博氏が登場 / (C)Takuya Sugiyama/Sports Graphic Number
福士蒼汰がナビゲーターを務め、トップアスリートたちの輝かしい「現在」とそれに至るまでの「挫折」をアスリート本人が語るリアルドキュメンタリー番組「NumberTV」(全24回)。3月18日(月)より兵庫・阪神甲子園球場にて「第97回選抜高等学校野球大会」が開幕するということで、高校時代に前人未到の記録を残し、“甲子園の申し子”とも称された元プロ野球選手・清原和博氏が登場した第2回の内容をあらためてひもとく。同回では、彼が野球人生を振り返ったときの“挫折地点”が春の選抜高校野球(センバツ)だったことを打ち明けていた。(以下、ネタバレを含みます)
■甲子園での通算最多本塁打記録保持者
これまで配信されてきた15回(16回は総集編)の中で野球、サッカー、バレーボール、バドミントン、体操、ラグビー、柔道、フェンシングなど、さまざまな競技の第一線で活躍したレジェンドたちが登場してきたが、一番多く取り上げられている競技が国民的スポーツの代表である野球。中でも数々の記録と記憶に残るプレーでファンを魅了した清原氏は第2回に登場し、“挫折地点”を語っていた。
甲子園での通算最多本塁打記録である13本塁打は40年を経た現在でも破られていない“超高校級”のバッターで、当時の実況に「甲子園は清原のためにあるのか!」と言わしめたほどの清原氏。そんな“甲子園の申し子”は1983年に大阪のPL学園に入学し、厳しい寮生活を送りながら、数カ月でチームの主砲である4番の座を獲得する。
だが、清原氏は「複雑でした。自分が1人入ることによって、上級生だった元々ファーストでレギュラーだった人が外れるわけですから。うれしさ半分もなかったかな…。申し訳ない気持ちでいっぱいでした」と当時の心境を振り返る。しかし、見事に「1年で4番」というプレッシャーをはねのけ、夏の全国高校野球選手権大会の決勝では“甲子園第1号”のホームランを放って優勝に貢献。一躍、全国の球児たちから一目置かれる存在に。
「NumberTV」第2回より / (C)NTTドコモ/Sports Graphic Number
■清原氏が迎えた野球人生最大の挫折
3年生の代となり、新チームは春夏連覇を目指して、春のセンバツを順調に勝ち上がっていく中、準決勝に駒を進めた清原氏は野球人生最大の挫折を迎える。無名の公立高校のノーマークだったエース、伊野商業の渡辺智男投手の投球にきりきり舞いにされ、清原氏は「初めて打席で怖くなった。普通、ピッチャーの球っていうのは、球速がだんだん落ちてくるものなんですけど、そのままズドーンと来ましたから。『これ、どうやってバットに当てるんだろう』という感覚にさえなりました」と回顧。さらに、見逃し三振に終わった最終打席について「あれは手が出なかったです」と打ち明ける。
プロ野球でも歴代5位の記録となる通算525本塁打や新人から13年連続20本塁打以上の日本記録、オールスターでは通算36打点の活躍と史上最多7度のMVPを獲得するなど、球史に残るバッターである清原氏のターニングポイントとなったのは春のセンバツだったことが明らかになった。
そして2025年、未来の大選手のターニングポイントになるかもしれない春のセンバツが3月18日(月)に開幕する。
同番組では、2023年に侍ジャパンの監督として日本代表チームを3年ぶりとなるWBC(World Baseball Classic)優勝に導いた栗山英樹氏(第5回)、NPB史上初めて2度のシーズン200本安打を達成し、日米通算2723安打を記録した青木宣親氏(第8回)が登場する回もあり、彼らの“挫折地点”と“挫折によって得たもの”を見届けた上で現役高校球児たちの熱戦を見れば、より盛り上がることができるだろう。
なお、次回3月27日(木)に配信される「NumberTV」第17回は、バレーボール・日本代表の高橋藍選手が登場する。
◆文=原田健
※高橋藍選手の「高」はハシゴダカが正式表記
配信: WEBザテレビジョン
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