水尿管症の前兆や初期症状について
水尿管症の症状は原因によって大きく異なります。とくに先天性と後天性では、症状のあらわれ方に違いがあります。
先天性の場合
先天性の場合は、徐々に尿管の拡張が進むため、痛みなどの症状をほとんど感じないことが特徴です。そのため、無症状のまま経過し、健康診断などで偶然発見されることも少なくありません。
ただし、尿路感染症を繰り返すことがあるため、感染症の症状をきっかけに発見される場合もあります。また、拡張した尿管を体の表面から触れることで気付く場合もあります。
後天性の場合
後天性の場合は比較的急速に症状が進行します。とくに尿管結石が原因の場合は、激しい腰痛や背中の痛みといった症状が突然あらわれます。また、血尿が見られることもあります。
周辺の臓器に発生したがんが原因の場合は、がんの進行にともなって徐々に症状があらわれます。
また、先天性・後天性いずれの場合も、尿路感染を起こしやすくなります。感染すると高熱や腹痛が生じ、炎症が腎盂にまでおよぶことで腎臓でも炎症が引き起こされることがあります。さらに重症化すると敗血症(感染症で全身の臓器機能が障害される病気)などの深刻な状態に陥る可能性もあります。
水尿管症により腎機能が低下すると、高血圧やむくみといった全身症状があらわれることもあります。両側の尿管が影響を受けた場合や、もともと腎機能に問題がある場合は、とくに注意が必要です。
水尿管症の検査・診断
水尿管症の診断の主体は画像検査です。まず腹部超音波検査を行い、尿管や腎盂が拡張しているかどうかを確認します。超音波検査は簡便で身体への負担が少ない検査ですが、原因の特定が難しい場合もあります。
その場合は、腹部CT検査やMRI検査を行い、尿管の拡張の程度や原因となっている病変部位を調べます。必要に応じて造影剤を使用し、尿の流れを確認しながら原因を特定します。
また、感染症の有無や腎機能を調べるために血液検査や尿検査などを行うこともあります。がんが疑われる場合は、さらに詳しい検査が必要です。
配信: Medical DOC