水尿管症の治療
水尿管症の治療は、原因と症状の程度によって異なります。
先天性の場合
先天性の場合、手術による尿管の形成が根本的な治療となります。しかし、開腹手術は体への負担が大きいため、症状の程度や今後の見通しを考慮して、手術の適応を判断します。
尿路感染症を繰り返している場合や、腎機能の低下が見られる場合には、手術が必要となることが多いです。
後天性の場合
後天性の場合は、原因となっている病気の治療を行います。たとえば、尿管結石が原因の場合は結石の除去を、がんが原因の場合はがんの治療を優先します。
しかし、これらの治療は時間がかかるため、腎機能の急激な低下や重症感染症の危険がある場合は、緊急の処置として尿の流れを確保する必要があります。
あくまで一時的な処置のため、原因となっている病気の治療と並行して行わなければなりません。
水尿管症になりやすい人・予防の方法
水尿管症は、尿管結石の既往がある方、前立腺肥大症のある高齢の男性、妊娠中の女性、尿路系のがんや周辺臓器にがんのある方などに発症しやすいと言われています。また、尿路の手術歴がある方や、尿路感染症を繰り返す方も注意が必要です。
先天性の場合は生まれつきの要因によるため予防は難しいですが、後天性の場合はいくつか予防法が挙げられます。
まず水尿管症の原因となりうる尿路結石を予防するために、日頃から十分な水分摂取を心がけましょう。塩分の過剰摂取を控え、バランスの良い食事を心がけることも大切です。
前立腺肥大症のある方は、定期的な泌尿器科の受診と治療が必要です。とくに中高年の方は定期的な健康診断を受けることで、がんなどの病気を早期に発見できます。
尿路感染症を起こしやすい方は、トイレを我慢しないことや、入浴後は十分に体を乾かすことなど、日常生活での衛生管理が大切です。また、発熱、排尿時の痛み、頻尿などがあらわれた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
すでに水尿管症と診断された方は、医師の指示に従って定期的な検査を受け、症状の変化に注意が必要です。発熱や腹痛などの症状があらわれた場合は、すぐに受診することをおすすめします。
腎結石症
尿路結石症
馬蹄腎
膀胱尿管逆流症
腎動脈狭窄症
尿道狭窄症
間質性腎炎
参考文献
National Library of Medicine「Hydronephrosis and Hydroureter」
日本小児腎臓病学会「水腎症 水尿管症」
配信: Medical DOC
