「腎臓がん」を発症すると「腰」にどんな痛みを感じる?初期症状も医師が解説!

「腎臓がん」を発症すると「腰」にどんな痛みを感じる?初期症状も医師が解説!

腎臓がんを発症すると腰にどんな痛みを感じる?Medical DOC監修医が腰のどこに痛みを感じるか部位・初期症状・原因・検査法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

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監修医師:
石川 智啓(医師)

2013年名古屋大学医学部卒。初期研修修了後、JCHO中京病院泌尿器科、小牧市民病院泌尿器科を経て、現在名古屋大学医学部附属病院泌尿器科で勤務。日本泌尿器科学会専門医、da Vinci Surgical System コンソールサージャン・サーティフィケートの資格を有する。

「腎臓がん」とは?

腎臓は、肋骨の下あたりの高さに位置し、背中側にある臓器です。腎臓は左右1つずつあり、そら豆のような形です。血液をろ過して尿を作り出しています。腎臓の「腎実質」には毛細血管が集まり、糸球体というろ過装置で血管から尿がこし出され、尿細管という細い管で必要なものが再吸収されます。ここでできた尿が「腎盂」に集まり、尿管を下って膀胱へと送り出されます。
「腎実質」の細胞ががん化して悪性腫瘍となったものを腎細胞がんといい、腎盂にある細胞ががん化したものが腎盂がんです。一般的に腎臓がんは腎細胞がんのことを言います。

腎臓がんを発症すると腰にどんな痛みを感じる?

腎臓がんは、初期では症状はほとんどありません。しかし、大きくなると血尿、背中・腰の痛み、吐き気、おなかのしこり、腹痛などを認めることがあります。

持続する腰の痛み

腎臓がんが大きくなり、腎臓を覆っている被膜が引き伸ばされた場合や周囲の神経まで進展すると腰の辺りに痛みが生じます。この痛みは、痛みの原因が解消されないと消えにくいため、持続することが多いです。持続する腰痛は膵炎や慢性腰痛症など他の病気でも起こり得ます。痛みがある場合には市販の痛み止めなどで様子を見ても良いですが、痛みが持続する場合には医療機関を受診しましょう。また、見た目が真っ赤な血尿などに伴う腰痛であれば泌尿器科を受診すると良いでしょう。

強い腰の痛み

腎臓がんが神経まで進展したり、腰椎に転移すると強い痛みが起こることがあります。また、骨転移した部分が病的骨折を起こした場合にはさらに激痛が起こります。このように、強い痛みが起こった場合には、何かしら病気がある可能性が高いです。腎臓がんの可能性もありますが、尿路結石や急性腰痛など他の病気の可能性も考えられます。痛み止めの内服や消炎鎮痛剤の湿布を使用しても良いですが、腰に激痛が起こった場合には早めに医療機関を受診しましょう。

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