監修医師:
大坂 貴史(医師)
京都府立医科大学卒業。京都府立医科大学大学院医学研究科修了。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・糖尿病・代謝内科学講座 客員講師を務める。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医。
大腸憩室症の概要
大腸憩室症は、大腸の壁に袋状のくぼみ(憩室)ができる状態を指します。多くの場合、無症状のまま経過しますが、憩室に炎症が起きると「大腸憩室炎」や出血などの合併症を引き起こすことがあります。この病気は特に40歳以上の方に多くみられ、高齢化社会において患者数が増加しています。憩室そのものは特に問題がないことが多いですが、合併症が発生した場合には医療介入が必要になります。(参考文献1,2)
大腸憩室症の原因
大腸憩室は、大腸の壁の血管が通り、脆弱になっている部分に発生し、発症にはさまざまな要因が関与します。まず、男性や白人種の人々で発症リスクが高いとされています。また、肥満や喫煙もリスクを高める要因です。一方、便秘や低繊維食は憩室症の発症に直接関連していないことが近年の研究で示されています。(参考文献2)
大腸憩室症を持つ人の中で大腸憩室出血を起こす原因としては、非ステロイド性抗炎症薬やアスピリンなどがあります。また、肥満やメタボリック症候群も危険性を高めると言われています。一方で、喫煙や飲酒と大腸憩室出血の関連は明確にはわかっていません。(参考文献1)
配信: Medical DOC