睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まることで、体が低酸素状態に陥る病気です。放置すると、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まり、最悪の場合は突然死を招くこともあります。睡眠時無呼吸症候群のリスクや症状について、「上福岡くろだ内科クリニック」の黒田先生に詳しく伺いました。
編集部
まず、睡眠時無呼吸症候群について教えてください。
黒田先生
「睡眠時無呼吸」は、睡眠中に呼吸が10秒以上停止する状態のことで、文字通り寝ている間に何回も呼吸が止まる症候群です。そして、1時間に5回以上、無呼吸や低呼吸が発生するため熟睡できず、日中に異常な眠気を催してしまうこともあります。
編集部
睡眠時無呼吸症候群には、どのようなリスクがあるのですか?
黒田先生
睡眠時無呼吸症候群は、単に呼吸が止まるだけの疾患ではありません。無呼吸を何度も繰り返すことによって、体内が低酸素の状態になります。そして、心臓や脳、血管に負担がかかってしまいます。その結果、高血圧や脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす可能性が高まります。最悪の場合は、突然死につながってしまうことも考えられます。
編集部
睡眠時無呼吸症候群は、命を落とす危険性もあるのですね……。
黒田先生
はい。そのほかにも、様々なリスクがあります。体が低酸素の状態になると、脳が防衛的に目覚めて、呼吸を無理やり再開させます。脳がずっと働いている状態になるので、熟睡することが困難になりますし、日中も睡眠不足の状態になってしまいます。そのため、「日中の強い眠気」、「倦怠感」、「起床時の頭重感」、「気分の落ち込み」などの症状が起こり、日常生活の質を低下させることになってしまいます。
監修医師:
黒田 直孝(上福岡くろだ内科クリニック 院長)
東京医科大学医学部卒業後、東京医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科に所属。昭島病院、仁和会総合病院糖尿病専門外来、医療法人みなとみらいなどで経験を積む。2020年、埼玉県ふじみ野市に「上福岡くろだ内科クリニック」を開院。専門分野である糖尿病や睡眠時無呼吸症候群をはじめ、大学病院や総合病院に近い検査を院内で実施し、一人ひとりに合った最善の治療を常に追求している。日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定内科医。日本内分泌学会、日本睡眠学会、日本禁煙学会、日本甲状腺学会の各会員。
※この記事はメディカルドックにて<「睡眠時無呼吸症候群になると糖尿病にかかりやすくなる」と言われているけど、どうしてなの?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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