「大動脈炎症候群」を発症した人に起こる症状をご存じですか?【医師監修】

「大動脈炎症候群」を発症した人に起こる症状をご存じですか?【医師監修】

監修医師:
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)

2011年佐賀大学医学部医学科卒業。2021年横浜市立大学大学院医学研究科修了。リウマチ・膠原病および感染症の診療・研究に従事している。日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医、日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医・評議員・登録ソノグラファー、日本リウマチ財団 リウマチ登録医、日本アレルギー学会 アレルギー専門医、日本母性内科学会 母性内科診療プロバイダー、日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医、日本温泉気候物理医学会 温泉療法医、日本骨粗鬆症学会 認定医、博士(医学)。診療科目は一般内科、リウマチ・膠原病内科、アレルギー科、感染症科。

大動脈炎症候群の概要

大動脈炎症候群は、血管炎の一種であり、特に大動脈(体の中で最も大きな動脈)やそこから分岐する主要な動脈に炎症が生じます。この病気は1908年に金沢医学専門学校の眼科医である高安右人(たかやすみきと)によって、眼底変化(花冠状吻合)を伴う22歳女性の症例として報告されたこともあり、「高安動脈炎」という名称もあります。
血管の炎症によって、血管の壁が厚くなったり、狭くなったり、あるいは拡張したりすることがあります。これにより、血流が妨げられ、さまざまな症状が現れることがあります。大動脈炎症候群は、若年女性に多く見られる疾患ですが、男性や高齢者にも発症することがあります。

大動脈炎症候群の原因

大動脈炎症候群の正確な原因は、まだ解明されていません。しかし、いくつかの要因が関連していると考えられています。

免疫系の異常
免疫システムが自身の血管を攻撃する自己免疫疾患と考えられています。

遺伝的要因
特定の遺伝子(HLA-Bw52, Dw12, DR2, DQw1など)との関連が示唆されていますが、全ての人に当てはまるわけではありません。

感染症
過去に結核菌にさらされたこととの関連がメキシコ人の患者さんで報告されています。

その他
環境要因なども関与している可能性が示唆されています。

関連記事: