3月8日は国際女性デー。北海道テレビではHTB創世ミモザマルシェと題して女性の健康や働くことを考えるイベントを行いました。そのイベントの中で「働く女性の健康」を考える3回目です。女性の社会進出が進み、女性特有の健康課題がフォーカス(ようやく)されるようになってきました。
札幌フィメールクリニックの矢嶋彰子先生、HTBアナウンサーの森さやか、乳がん患者の阿久津友紀、3人で女性の健康を考えてみました。
過去の記事はこちら・・・
https://sodane.hokkaido.jp/event/202503082238005136.html
我慢してませんか? 女性の健康課題に迫る!(https://youtu.be/PjbfXslMBFg)
阿久津:お互いの理解ということに来ましたけれど男性向けのアンケートをひとつご紹介します。女性の健康課題や辛い症状をどれぐらいの方が理解したいと思ってくださっているのかというものです。なんと7割の方が理解したいと思っています。
森アナ:うんうん、ありがたい。
阿久津:ジェンダー意識の高いZ世代と妊娠出産を目の前で見ている、30代40代の方で気持ちが高まる傾向にあります。
森アナ:Z世代はやっぱりきちんと勉強されてるのかもしれないですよね。学校教育でもあるでしょうし、やっぱり今テレビ番組だとか情報も含めて、発信があるので男性がキャッチしやすいってのもあるんでしょうね。
男性に対しても対女性同士でも体の不調っていうのは非常に個人差がある
どんな風にこう伝えてったらいいのかとか理解を進めたらいいものなのか・・・。
矢嶋先生:感じたことない症状を同じ女性である別の誰かが感じててもなかなか理解というのは難しいです。でもそういうことがあるんだっていうことを共感してもらう、理解深めてもらう。ちゃんと立ち向かうとか、そういう姿勢っていうのも大事ではあると思うんです。なかなか難しいんだけれども『今日ダメな日なんだ』という前に、なんとかやってみようっていうのも大事だと思うんですね。お互いを理解し合うという形でいけたらなと思うのです。
阿久津:よくうちのパートナーはわからないとおっしゃる(笑)。素直に、素直に言うと、今日機嫌がいいのか悪いのかわからないって。そこで、分からないって言われたら、今日機嫌悪いよって言えますよね。そして、機嫌悪いですって言った瞬間にちょっとその機嫌の悪さがちょっと収まったりします。
『機嫌が悪い原因とか集中できない原因が本当に頻繁にやってくるのであればやっぱり相談』
森アナ:異常に気づくための基準っていうのはどんな風に自分の中で思っておいたらいいんですか?
矢嶋先生:そうですね、何か異常っていうか、いつも通りじゃないなっていうことを感じるのが続くっていう場合にはやはり医療機関に相談するということは必要ですけども、やっぱりそのためには日頃から自分の体のことをちょっと注目してくれていないといけません。
私も乳がん専門医ですのでやっぱりセルフチェックしてみましょうって、毎日毎日全ての方にお伝えしますけれども、やっぱり日頃、どうなのかっていうことを分かってないとじゃあ異常なのか?これはというものがあったとして、今日気づいたのか、前からあったのか、急にできたのか?
そういったちょっとしたことも気づくことができないので関心を寄せて、自分の体のこともよく気を配って欲しいなと思うんですよね。
森アナ:メモしておくとか大事ですかね?
矢嶋先生:大事ですよね、特に乳がんは自分で触っても分かるとか違いが分かるみたいなところがある。
り患する年齢が非常に若いです。40代後半から、り患率が上がる、立ち上がるのは30代から。皆さん、社会に進出して仕事、それから妊娠・出産しようとか家庭があったり、それから親のことを面倒を見たりするような世代になっていて本当に1人の女性が担う役割って幅が広いなと思うんですけど。そんな中にいろんな女性ホルモンの影響でいろんなことがやってくると忙しい、体調悪いでも病院行けない、でもそういう時に、やっぱり思い切ってその体調不良を我慢してしまわずに、職場などに相談してお休みを取ってちゃんと受診したり、メンテナンスしたり、健康診断受けたりと務めてほしいなと思います。
全国で比較した乳がんの検診率もずば抜けて低いのはなぜ?
山口県の次に低いのが北海道、、、どうしてですか?
矢嶋先生:北海道は広い地域性があります。札幌には受けられるところがたくさんありますけれども、地方の町村に行きますとバスが回ってきて検診車が来るのは年に2日しかない。検診を逃したらもういけないんですよ。私が乳腺外科医になって、医師になって初めて行った地方の検診。バスでマンモグラフィをバシャッと取るんだけれども、その後視触診があるんです。そうしたら、みんな家から持参したバスタオルを ですね、上半身裸の上に巻いてそして並ぶんですよ。
そんなのってありますかっていう。
森アナ:それはそういうシステムだったんですか?
矢嶋先生:とにかく1日に100人見なきゃいけないので半日50人ずつです。
森アナ:なるほど。
矢嶋先生:それをこなすっていう感じなんですよね。だから、もうご近所さんも誰も彼もみんなおうちからのバスタオルでこうやって体隠しながら診察の順番を待つという形。それを経験してしまうとこれは広まらないでしょという感じがします。私も衝撃でしたね。その時は。
阿久津:なるほど。近くの病院に行きたくない方もいるように、知り合いにあったら嫌だから、とか。見つかった時が嫌だからとそういう印象があるからやっぱり検診が遠のくというか。
矢嶋先生:イメージして欲しいんですよ、私。胸になんかあったらあそこ行く。子宮とか婦人科になんかあったらあそこ行く。もうなんなら、今行かないんだけども行くとしたら、どこ行こうかな、どこが信頼できそうかなとか。そういうことを周りの人とも共有してもらえたら。
実際何かあった時に迷わず行けるんじゃないかなと思います。行った経験を伝えてほしいですよね。受診したんだけどこんな感じで良かったよとか。
森アナ:そんな風に広めてもらえると安心していけそうですね。やっぱり自分だけは大丈夫という過信はできませんから。
何かこう自分に異変があった時に、あとはきっと大丈夫かなって思ってしまったり、先ほど先生もおっしゃってましたけれども子育てだったり、介護だったり、何かすることが多いと、子供が歯が痛いって言ったらすぐ歯医者さん行くし、親が体調悪いって言ったらすぐ病院行くのに、自分に何かあった時には、『まあいっか』ってなっちゃう。ここがダメなんです。
配信: SODANE