小さな目標を立てて、小さな挑戦をしていく先に成功がある
岡田 トイトレにおいて、「しかるのではなく、ほめるのが大事」というのはよく言われていますが、「ほめる」にもさまざまなテクニックがあるのですね。
ほかにはどのような作戦がありますか?
亀田 次は「目標を分割しよう」です。
トイトレにおいては「トイレで排泄成功」を最終的な目標とするのですが、それまでを小さな目標に分割して考えます。
岡田先生は「トイレで排泄する」の中にどのような行程があると思いますか?
岡田 「1/トイレに行く」「2/ズボンと下着をぬぐ」「3/便座に座る」「4/排泄する」「5/ふき取る」「6/下着とズボンをはく」「7/流す」でしょうか。
亀田 そのとおりです。この作業を「課題分析」と言います。課題分析を行うことで、小さな目標を考えることが可能になります。
岡田 なるほど。こまかく分割することで、子どもがクリアするハードルを下げることができるし、ステップごとにこまかくほめることもできますね。
亀田 まさにそのとおりです。“小さな挑戦の先に、大きな成功がある“イメージです。目標を分割することで、結果的にほめる機会が増えます。たくさんほめられたほうがモチベーションも上がりますよね。
岡田 また、子どもがどこでつまづいているのかを把握する際にも役立ちそうです。
亀田 そうですね。子どものつまづきポイントによっては、さらにこまかく分割することも可能です。
「1/トイレに行く」を「トイレの前まで行く」「トイレの中に入る」に分割したり、「3/便座に座る」を「5秒座る」「10秒座る」、「服を着たまま座る」「服を脱いで座る」といった形に分割することもできます。
岡田 確かに、家庭の環境によっては「トイレに行く」の前にも「廊下の電気をつける」「階段を上がる(下りる)」といった行程が含まれる場合もありますよね。それぞれの家庭環境や子どもの性格に応じて、事前に作戦を立てることがとても大切だとわかりました。
お話・監修/亀田准季先生・岡田百合香先生 文/岡田百合香先生 構成/たまひよONLINE編集部
次回は、トイトレをスタートした後の「ほめスキル」について引き続き岡田百合香先生と亀田准季先生の対談をお届けます。
亀田准季先生
PROFILE
愛知県出身。これまで特別支援学校(肢体不自由、知的障害)を中心に、小学校特別支援学級や高校通級などで多様な特別支援ニーズのある子の教育に携わる。その中で得た知識や経験をもとに、特別支援教育について学ぶサークルを立ち上げ、多くの学校関係者等とともに、地域の特別支援教育の推進に努めている。専門は応用行動分析、ペアレントトレーニング。3児の父。
●記事の内容は2025年2月の情報で、現在と異なる場合があります。
監修者
岡田百合香 先生
PROFILE:泌尿器科医/産業医。日本泌尿器科学会専門医。愛知県在住。総合病院の泌尿器科に勤務する傍ら、乳幼児の保護者を対象にした「おちんちん講座」や、思春期の学生向けの性に関する授業などを行っている。現在7歳男児、3歳女児の子育て中。著書『泌尿器科医ママが伝えたい おちんちんの教科書』(誠文堂新光社)が発売中!
配信: たまひよONLINE
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