子どもを出産したあと「産後うつ」に陥ったり、「育児困難」になったりすることで、大きなストレスを抱えてしまう人がいます。そうなってしまうと、本人はもちろん、子どもや周囲の人たちもみんな不幸になることもあります。今回は、産後うつや育児困難の要因について、あおきメンタルクリニックの青木先生に教えていただきました。
編集部
なぜ、産後うつになるのですか?
青木先生
大きく分けて、2つの原因が考えられます。1つは、出産に伴うホルモンバランスの変化。もう1つは、出産したことによる環境の変化や育児への不安です。
編集部
身体的・精神的な要因が重なっているのですね。
青木先生
そのほかにも家族の理解が足りなかったり、サポートが不足していたり、慢性的に睡眠不足が続いていたりすることも産後うつの要因になるとされています。
編集部
一方、育児困難の原因はなんですか?
青木先生
いろいろな要素があります。まずは本人の性格として、生真面目で几帳面という問題があります。完璧な母親を目指そうとするあまり、大きなストレスを感じてしまうのです。それから周囲のサポートが得られていないことや、産休や育休などにより社会との孤立を感じていることも要因となります。
編集部
いろいろなことが要因として考えられるのですね。
青木先生
はい。それから重要な要因として、自分の生育過程において体験した両親との葛藤もあります。つまり、自分が育児をする立場になり、育児を通してその葛藤が活発になるのです。そのため精神的に混乱したり苦悩したりして、育児困難が生じる場合もあります。
監修医師:
青木 豊(あおきメンタルクリニック)
1985年国立山口大学医学部卒業。その後2003年まで東海大学医学部精神科学教室に所属。ルイジアナ州立大学精神科にて乳幼児精神保健の専門家になるためのハリスフェローシップを取得。11年4月~22年3月目白大学人間学部子ども学科および目白大学大学院生涯福祉研究科生涯福祉専攻修士課程の教授として ご専門の乳幼児の精神医学・保健について教鞭。2018年11月あおきメンタルクリニック代表。東京医科歯科大学非常勤講師、早稲田大学社会的養育研究所招聘研究員、東海大学医学部非常勤講師、チャイルドファーストジャパン理事など。
※この記事はMedical DOCにて<「産後うつ」「育児困難」にならずに子育てを上手く乗り切るコツを医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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