「めーたん」の愛称で親しまれ、AKB48、SDN48で活躍し、グループ卒業後もタレントとして活動している大堀恵さん。2024年12月、10年ぶりに41歳で第2子となる女の子を無事に出産されました。しかし、30歳で妊娠・出産した第1子のときとは異なり、出産までは紆余(うよ)曲折があったそう。ご自身も想像もしていなかった妊活の大変さや長女とのこと、高齢出産となった今回の出産のことなどについて、大堀さんに聞きました。全2回インタビューの後編です。
においづわりに坐骨神経痛…マイナートラブルに悩まされた日々
不妊治療を経て、10年ぶりの妊娠が判明した大堀さん。妊娠初期にはつわりに苦しんだ時期もあったといいます。タレントとしての活動を続けながらの妊婦生活はどうだったのでしょうか。
「仕事はなるべく短い時間にしてもらっていたので、つわりで苦しいのが仕事に影響することはあまりなかったですね。1人目のときもそうだったんですが、気分が変わるからか、仕事中だったり人に会ったりしているときは、つわりの症状が和らいでいたので、仕事も問題なく続けられて、助かりました。
私の場合、1人目は食べづわりで、2人目はにおいづわりだったんです。しかも、つわり症状がピークだった妊娠初期は、長女にまだ妊娠したことを伝えてない時期で、長女に妊娠を隠しながら過ごすのが何よりつらかったです。
ごはんを作るときのにおいも、洗濯物のにおいも、長女のおふろ上がりのにおいも全部ダメ。それもあって『長女に早く伝えたい~!』と思っていましたが、お誕生日に伝えることにしていたので、何とか頑張ろうと。長女に伝えるまでは、彼女を学校に送り出したあとに、ようやくフーッとひと息つける感じでしたね。
食事もミールキットのようなのを買って、できるだけ調理時間を短縮したり、少し作っては1度外の空気を吸いに出て、また調理に戻ったり。食べるときも、冷めるとにおいがあまりしなくなるので、私の食事は夫と娘が食べ終わってから1人で食べたりして、なんとか乗りきりました。
1人目と2人目でもつわりは違うし、実は私の妹がちょうど半年違いで妊娠中なんですが、妹はまったくつわり症状がないらしくて。きょうだいでも違うんだなと思いました」(大堀さん)
つわりのほかにも、妊娠中に思わぬマイナートラブルにも見舞われたという大堀さん。妊娠による体の変化で、妊婦さんはなりやすいというそのマイナートラブル、それは…
「妊娠中、2度も坐骨(ざこつ)神経痛になってしまったんです。妊娠5カ月と、妊娠9カ月のときで、どちらも歩けない日が2週間くらいありました。
今回の妊娠では10歳の長女がいて、いろいろありがたいところもあったんですけれど、逆を言えば、妊娠中に長女のお世話もあるんですよね。小さな子どものお世話とはまた違いますが、大きくなったら大きくなったでいろいろなサポートが必要で、学校に行かなくちゃいけないときもあったし、習い事もあったんですが、そのサポートができなくなってしまって大変でした。
ただ、長女との家族3人生活も最後だっていう気持ちもあったので、調子のいいときに3人での最後の旅行に出かけたり、長女と2人だけの時間も欲しくて出かけたり。でも1日頑張ると、次の日にはまた歩けなくなっちゃうんですよね…。坐骨神経痛、すごくつらかったです…」(大堀さん)
妊娠中の体重管理についてはどうでしょうか。30歳と40歳では違いがあったのでしょうか。
「長女の妊娠中は、体重が13~14㎏増えたんですが、今回はプラス12.5㎏くらい。食べづわりでもにおいづわりでも、最終的にはあまり変わりませんでした(笑)。
実は今回、妊娠7カ月ぐらいまでは本当に体重増加が緩やかだったので、助産師さんに、『あなた、もうちょっと食べても大丈夫よ!』って言われたんですよ。そこから、気が緩んでしまい、プラス2kg、さらにプラス2kgと増えちゃって。
次の健診では、助産師さんに『いや、あなたこれは増やしすぎよ』と言われてしまいました。確かに自分でもまずいなと思っていたんですが、それからすごく我慢したかっていうと…(笑)。我慢しすぎもよくないかなって思って、妊婦健診が近づくと、お鍋にしたり食べる量を少し減らしたりして、セーブしてました」(大堀さん)
赤ちゃんグッズも10年違うといろいろと変化が。見たことのないアイテムもあるなど、前の妊娠のときと変わっていて驚いたそうです。
「そうなんですよ。まず、紙おむつ。なんだかグレードアップしてる~!って思いました。長女のときは、こんなグレードの違いなんかなかったなって。あと、産後に気づいたのですが、おしっこサインでメッセージが出るのにも感激しました!
ちょうど夫が忙しい時期で、ワンオペだった日にお姉ちゃんの宿題を見たり用事が重なったりしてヘトヘトなときに、二女のおむつのおしっこサインに『ママだいすき』って…。この心づかいにもうやられました~!思わず長女を呼んで『見て!これすごくない?あなたもこういう心のこもったものを作る人になってね!こうやって人を感動させてね!』って熱弁しちゃいました(笑)。
あとはスワドル! 長女のときにはなかったけれど、今回二女に新生児のときから使ってみると、まあびっくり。すごくよく寝てくれるんですよ。本当に出会えてよかった~と思っています。
実は今、夜泣きがすごくて。ここ2日なんで寝ないんだろうなと思ったら、ミルクの吐き戻しで汚れて、ちょうどこの期間スワドルを使っていなかったんです。これはもう1枚洗い替えがいる!と思って、買い足したところです。本当に神のようなアイテムだと思っています。
1人目のときは結構あれもこれも買っていたんですけれど、2人目はもう買いすぎないぞ!最低限のものしか買わないぞ!と思っていて、赤ちゃんに必要なものだけを買うようにしているんですが、1人目で使わなかったものも便利なものは使ってみたいなって思ってしまいますね。
10歳の長女を思うと、10年も本当にあっという間だったので、きっと二女の子育てもあっという間なんだと思います。夫とも、これが本当に最後の赤ちゃん育てになるだろうから1日1日を大切にしようと話しているので、赤ちゃんグッズもいろいろ試して、新しいものは挑戦してみたりして、毎日を楽しめたらいいと思っています」(大堀さん)
そして、10年前には一般的ではなかったベビーイベントも今回は楽しめたのだとか!
「長女のときは、ベビーシャワーをする人が少しいるくらいで、ジェンダーリービールをしている人は見たことがなかったんですが、今はSNSでもたくさんの人がされていますよね。
わが家も、マスカットといちごを飾ったケーキを用意して『さあ、赤ちゃんの性別はどっちでしょう!?』とやってみたんです。パパと長女が一緒に包丁を入れてパカッと開けたんですが、2人ともすごく驚いたり、はしゃいでくれて。とくに、妹を欲しがっていた長女はとりわけ喜んでくれましたね。
2人の反応は私が思っていた以上だったので、こういう家族で赤ちゃんが生まれてくるのを待ち望むイベントってすごくすてきだなと思いました。
ただ、なかなか性別がわからなくて、最初は『男の子かな?』とおっしゃっていた先生に、次の健診では『あれ?なくなっちゃったな』って言われて。性別がわかるまでは私もドキドキしましたね」(大堀さん)
10歳差を心配していたけれど…長女は即戦力で大活躍!
前回は30歳での出産だった大堀さんですが、今回は41歳での出産。高齢出産の不安もあったと言います。
「私はいろいろと心配しがちな性格で、慎重になりすぎる部分があるので、高齢出産についても、その後の育児についても『大丈夫かな…』と不安に思うことはたくさんありました。夫も2人目を望んでくれていましたし、もちろん自分ももう1人…という気持ちはあったんですが、やっぱり出産で大変なのは女性側ですしね。
ただ、幸いなことに、周囲に40代で出産した方が何人かいらして、安めぐみさん(42歳で第2子を出産)も『大丈夫だよ!』といろいろとお話をしてくださったんです。そういうまわりの方のやさしい気持ちが、自分の中で勇気になったというか、高齢出産の世界にも飛び込めた気がしますね。安さんの言葉に救われた部分は多かったです」(大堀さん)
まわりの先輩ママにも励まされて臨んだ10年ぶり41歳での出産。実際に出産や産後の様子はどうだったのでしょうか。
「長女のときは、本陣痛が48時間続いたあとの緊急帝王切開だったんです。だから産後はもうヘトヘトだし、傷口は痛いしで、本当に2~3日動けなくて、とにかくベッドに横たわっているという感じでした。普通分娩のつもりだったので、術後の予測もできていなかったんです。
でも、今回は予定帝王切開だったので、自分の中で術後の予測ができていたこともあってか、次の日から少しずつ歩いて、お手洗いも1人で行って。赤ちゃんにおっぱいをあげたい!という気持ちも強くて、新生児室までどんどん歩いていました。
産後入院中にあったシャワーの時間で、髪の毛も洗ったんですが、看護師さんいわくそんな人はあまりいないらしくて。『ちょっと頑張りすぎだから、もう少し休んで』って言われちゃったりしました(笑)。
そんな感じで、次の日から結構パワフルに動いていましたね。10年ぶりの出産でしたが、私の場合は、意外と今回のほうが産後は元気だったと思います」(大堀さん)
そして、パパや長女の反応はどうだったかというと…
「私の場合、前回の出産が帝王切開だったということもあり、今回は予定帝王切開で、長女&パパの赤ちゃんとの初対面はリアルタイムでは見られなくて、産後、退院してから動画を見たという感じなんですが、本当にね、2人ともすごくいい表情をしていたんです。
夫と話して決めたバースプランの1つに『いちばん最初の抱っこは長女にさせてあげたい』というのがあったので、長女が最初に二女を抱っこしたんですが、もう今までに見たことのないような表情をしていて。
長女がこんな表情で、こんなにも喜んでくれたんだって思ったら、すごく感慨深かったです。夫も、10年ぶりに抱っこする新生児に、長女が赤ちゃんのときを思い出したみたいに懐かしそうにしていて…。
2人の姿を見ていると、無事に生まれてきてくれてありがたいな、本当に頑張ってよかったなと思って、涙が止まらなくなりました」(大堀さん)
小学生のサポートをしながらの妊娠生活は助かる部分もあったものの、学校生活や習い事など大変なことも多かったという大堀さん。では生まれてからの生活はどうでしょうか。
「日中や夜中は私が1人で二女のお世話をしていますが、長女が学校から帰宅してから寝るまでは、もうほぼ長女が二女のお世話をしてくれるんです。
夫は1つのことをお願いしたら、それしかやらない、みたいなところがあるんですが、長女は1つ言うと3つくらいやってくれるんです。たとえば『おむつ見てもらってもいい?』というだけで、おしっこしてるな→おむつを取り替えなくちゃ→あやしてあげよう→眠っちゃったからそ~っと寝かせようって、ここまでやってくれる。すごいなと思いました。
産後入院中にたりないものがあったときも電話でお願いすると、長女がちゃんと探して持ってきてくれる。家族でいちばんしっかりしているし、何ならパパよりも頼りになるかもしれない(笑)。
姉妹で10歳離れていることをちょっと心配していた部分もあったんですが、取り越し苦労でした。ちっちゃいママみたいな長女は即戦力で本当に助かっています。
あとは、夫も1人目のときより成長したなと思いますよ。夫は今53歳ですが『53歳でもまだまだ成長するんだ!』って思ったくらい(笑)。
今回、不妊治療を経ての妊娠で、夫も妊活中の気持ちや赤ちゃんを授かることの尊さを味わっているからか、1人目のときより、産後の家事をものすごく手伝ってくれるんです。今、食事は全部夫が作ってくれていますし、長女のお世話も全部パパ。普段夫は自宅で仕事をしているので、日中、私がどうしても眠いなっていうときは『ちょっとだけごめん!』ってパパにヘルプをお願いすることもあります。
夫と長女がいてくれるおかげで、私も睡眠時間を確保させてもらっていますし、フラフラで倒れそう…みたいなこともありません。長女を含めて、本当に3人で同じ方向を向いて、3人で育児しているって感じですね」(大堀さん)
お姉ちゃんとパパとの3人協力体制で2人目の育児に取り組んでいるという大堀さん。その表情からも、すごく楽しそうな雰囲気が伝わってきます。赤ちゃんへの向き合い方も、1人目と2人目では違っているそうです。
「二女を抱っこしたときは、ちょっと赤ら顔で、まだむくんでいるあの感じがもうなんともかわいくてたまらなくて。泣き声も、一生懸命に体を使って泣いてる姿も、本当にいとおしくて、生まれてきてくれてありがとう!の気持ちでしたね。新生児期が終わっちゃったことがさみしいくらい。
1人目のときももちろんいとおしかったし、ありがとうの気持ちはいっぱいだったんですが、私のほうが本当に必死で。でも、2人目は気持ちに少し余裕が出てくるのか、楽しむというか、落ち着いて向き合えている気がします。
泣いていても、泣きやませなくちゃという気持ちより、泣き顔もかわいい!いっぱい泣くんだよ~って思えたり、おむつ替えが頻回になっても元気だね~健康だね~と思えたりとか。同じことでも1人目とは気持ちが変わってますね。なんでもかわいいになっちゃう(笑)。
やっぱり10年って長くて、3人で暮らしていた家に赤ちゃんがやってきて4人になると、同じ家にいるのになんだか違った景色を見てるような気がするんです。今回で、本当に最後の出産ということもあって、毎日泣いている姿もいとおしいですし、いろんなイベントや行事も大切にしていきたいなと思っています。
それに、今回は赤ちゃんが成長する楽しみを長女も一緒に味わえるし、家族での楽しみがまた増えたので、みんなで楽しみを共有できたらいいな。これからの2人の成長がすごく楽しみです。
あとは、私が今後公園で走り回ったりできるかな?っていうところは心配ではあるんですけれど、そこは私も体力をつけて頑張っていかなきゃいけないなとは思ってます」(大堀さん)
お話・写真提供/大堀 恵さん 取材・文/酒井有美、たまひよONLINE編集部
長女さんや二女さんのことを話す大堀さんは終始笑顔で、まだまだ大変な時期のはずの育児を楽しんでいる姿が印象的でした。そんな大堀さんも、妊活中や妊娠中は不安がいっぱいだったそうで、「心を許せる人に不安な気持ちをたくさん聞いてもらってとても救われた。だから今、妊活中や妊娠中の方も、不安はため込まないでほしい」と言っていました。将来への不安はどうしようもない気持ちだからこそ、誰かに話すと心が軽くなるのかもしれませんね。そして、妊活も妊娠も育児も、周囲の協力があってこそ、笑顔で乗りきれるのだと実感した取材でした。
配信: たまひよONLINE