慢性心不全の余命はどれくらい?Medical DOC監修医が慢性心不全の余命・症状・原因・なりやすい人の特徴・検査法・治療法などを解説します。
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監修医師:
大沼 善正(医師)
昭和大学医学部卒業。昭和大学病院、関東労災病院を経て、現在はイムス富士見総合病院勤務。総合内科専門医、循環器専門医、不整脈専門医、医学博士。
「慢性心不全」とは?
心不全とは、「心臓のポンプとしての働きが悪くなり、それにより息切れ、むくみ、倦怠感などが生じる」という病気です。慢性心不全は、その状態が慢性的に続いていることを言います。
心臓の大きな働きは、血液を全身や肺に循環させることです。心臓が何らかの原因で働きが悪くなると、ポンプとしての機能が果たせなくなり、血液をうまく循環できなくなります。血液循環に異常があると、上記のような症状が生じ、日常生活に支障を来すようになり、心不全と診断されます。
ただし最近では、上記のような明らかな症状が出る前からすでに心不全は始まっていると考えられており、より早期の治療の重要性が指摘されています。
慢性心不全の余命
心不全で入院した場合、入院中に約8.2%の方が亡くなり、心不全を発症した場合には1年で7.3%の方が亡くなると報告されております。また退院しても2.4年で約35%の方が再入院するとされており、再入院率も高い病気と言えます。
心不全は進行性の病気であるため、原因にもよりますが、ほとんどの方で治療を継続する必要があります。予後は心不全の原因によって大きく異なるため、重篤な場合を除き余命を宣告されることはありませんが、増悪を繰り返すたびに心不全は進行するとされております。そのため急性心不全、慢性心不全の急性増悪をしないようにしていくことが重要となります。
配信: Medical DOC