肥満が気になる人必見! 無理なく効率的にダイエットするコツを医師が解説!

肥満が気になる人必見! 無理なく効率的にダイエットするコツを医師が解説!

「ダイエットに大切なのは生活習慣を見直すこと」とよく耳にしますが、「具体的に、何を見直せばいいのか?」と、悩んでいる人も多いかもしれません。ここではダイエット治療のプロである肥満外来がどのように生活習慣の見直しをサポートしているか解説します。「中島内科クリニック」の中島先生に教えていただきました。

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監修医師:
中島 茂(中島内科クリニック)

横浜市立大学医学部卒業。その後、藤沢市民病院、横浜市立大学医学部附属浦舟病院(現・横浜市立大学附属市民総合医療センター)内科部長、横須賀共済病院内科部長・栄養管理科部長を務める。2003年、神奈川県横須賀市に「中島内科クリニック」を開院。

肥満外来とは?

編集部

「肥満外来」とは、どういったところですか?

中島先生

医療機関において医療や運動、栄養の専門家がダイエットを指導する外来を、肥満外来と言います。無理なく、効果的に減量が実現できるとして、現在、注目を集めています。

編集部

エステでおこなうダイエットなどと、どう違うのですか?

中島先生

一番大きな違いは、指導する人が医療などの専門家である点です。エビデンスに裏付けされた医学的なアプローチによってダイエットを指導するので無理なく、効率よくダイエットを実現できるのがエステなどとの違いです。

編集部

どんな人が治療の対象になるのですか?

中島先生

太っていることに悩んでいる人ならどなたでも対象になりますが、特におすすめなのは肥満や高度肥満の人です。日本における肥満や高度肥満の基準は、日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022」に則って診断され、BMI25~35未満の場合を「肥満」、35以上の場合を「高度肥満」と呼びます。肥満や高度肥満の人は糖尿病などを合併しやすいので、ダイエットによって効果的に減量を進める必要があります。

編集部

そのほかには、どんな人に肥満外来はおすすめですか?

中島先生

これまで自己流のダイエットを続けてきたけれど、いつも途中で失敗するという人にもおすすめです。また、「体重は減るものの、すぐにリバウンドしてしまう」という人も、ダイエットのやり方が間違っているのかもしれません。その場合も肥満外来で正しい減量方法を学ぶことをおすすめします。

肥満外来における予防医療とは?

編集部

肥満外来では、どのようなことをするのですか?

中島先生

医療機関によって治療の流れは異なると思いますが、一例として当院ではまず無料カウンセリングをおこないます。ドクターやダイエットアドバイザーと面談し、いつ頃から肥満になったのか、現在の食事内容、運動習慣などを細かく確認します。その後、治療に進むことになった場合には、血液検査や尿検査、心電図検査、インボディによる脂質や筋肉量などの測定をおこないます。

編集部

様々な検査をおこなうのですね。

中島先生

はい。それから当院の場合には、血糖値がどれくらい上昇するか、インスリンの分泌脳が異常を示していないかなどを調べる「糖負荷試験」という検査もおこないます。糖負荷試験により糖尿病を発症していないか、その兆候がないかを調べることができます。これらのメディカルデータをもとに、個々に合わせた最適なダイエットプランを考えます。

編集部

具体的には、どのようなことをするのですか?

中島先生

減量で重要なのは、食事と運動です。まず食事においては管理栄養士など専門家とともに、現在の食事内容を振り返り、食べ過ぎていないか、必要な栄養素が不足していないか、食事の時間は適切かなどを見直します。

編集部

管理栄養士と一緒に振り返るのですね。

中島先生

理想的な食事は一人ひとり異なり、ある人には1日3食がいいけれど、ある人には1日2食がいいなど個人差があります。そのため、試行錯誤しながらご自分に適した食事スタイルを見つけていきます。

編集部

まずは現在の食事内容を見直すことが重要なのですね。

中島先生

「どれだけ食事量を制限すべきか」に対する考え方は、「その人の活動量やライフスタイル、体格、年齢などに応じて1日の摂取エネルギー量を計算し、その範囲内に摂取量を抑える」と「脂肪とタンパク質は摂ってもいいけれど、糖質だけは制限した方がいい」の2つがあります。糖質は肥満につながりやすいことから、現在では後者の意見を唱える専門家も増えています。ただし、どちらの食事スタイルが向いているかは人によって異なるので、実際には色々なパターンを試しながら、自分に合ったスタイルを探ります。

編集部

運動ではどのようなことを指導するのですか?

中島先生

現代人は圧倒的に運動不足の人が多いので、現在どれくらい運動しているかなどを確認した後、無理なく始められる運動メニューを提案します。ダイエットに効果的な運動でも継続できなければ意味がありません。そのため、その人のライフスタイルなどを考慮しながら、無理なく続けられるメニューを考えています。

編集部

そのほか、見直すべき生活習慣はありますか?

中島先生

健康的にダイエットをするには睡眠も重要です。研究により、睡眠不足の人は肥満になりやすいことがわかっています。現在どれくらい睡眠がとれているか、睡眠の質はどうかなどを問診で確認しながら、質の良い睡眠が取れるように促していきます。

編集部

肥満外来でのダイエット効果は、だいたいどれくらいから実感できますか?

中島先生

肥満の程度にもよりますが、早い人だと1週間~1カ月で効果を実感できるのではないかと思います。もしそれでも効果が実感できないようなら、やり方を見直す必要があります。ただし、これまで蓄積してきた生活習慣を改めるのは、短期間では困難です。長期的な視点で、コツコツと続けることが必要であり、そのためには医師や管理栄養士などの専門家と二人三脚で取り組むことが有効なのです。

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