■2人目で初の育休を取得。手厚い会社のサポートに感謝
――勝志さんは第二子の誕生時に、初めて1カ月の育児休業を取得されたそうですね。取得した理由を教えてください。
勝志さん ちょうど年始が次女の出産予定日だったのですが、出産後の家族のスケジュールを考えた際に、退院後は長女の幼稚園がまだ冬休みで子ども2人の面倒を見ないといけないこと、また長女の冬休みが明けた後は、長女の送迎等もあるので、妻のワンオペは無理だと判断し、取得を決意しました。
――周囲の反応はいかがでしたか?
勝志さん とても温かい反応が返ってきました。支配人である上司は男性育休の取得について初めての経験だったそうです。しかし「自分も勉強するところから始めるので、一緒に考えていこう」と寄り添いの言葉をかけてくださり、その言葉にとても安心しました。
周囲のスタッフは、特に出産や育児を経験している女性キャストから「前田さんが育休を取得すれば次の人が取得しやすくなる。現場は任せて思い切って休んでください」と心強い言葉をかけられましたし、実際に快く送りだしてくれました。
――素晴らしいですね!
勝志さん はい。ほかにも会社からのサポートが手厚く、とても助かりましたね。私自身は育休取得に関する知識もなく、手続きなど何をどうすればいいのかよくわからず、不安だったのですが、ちょうど当時、会社として男性育休取得のサポート体制を強化するタイミングと重なったんです。人事部が産休・育休を取得する女性社員と同様、事前に個人面談やメールで育休取得のサポートをする男性社員の第一号が私だったそうで、しないといけない作業や提出する用紙について、きっちり教えてもらい、とても助かりました。また、そのときの人事部の担当者がちょうど女性社員で、女性目線で“夫にやってほしいこと”のアドバイスをもらえたのも、役に立ちました。
――皆さん温かく迎えてくださったとのことですが、育休取得を相談する前はドキドキしたのではありませんか?
勝志さん それはなかったですね。自分の中では「必ず取得する」と心に決めていたので。ただ、自分が一ヶ月抜けることで同僚たちに負荷がかかることは承知していたので、そのことはすごく意識して協力をお願いしました。
育休中は長女ちゃんと過ごす時間が長かったという勝志さん。「今はお母さんが大変だから、困ったことあったらお父さんに言ってねと伝えていました。長女も自分をたくさん頼ってくれました」(勝志さん)
■いちばんの不安は「業務の引き継ぎ」。数カ月かけ、段階を追ってバトンタッチ
――仕事の引き継ぎについてどのようにされたか、お話を聞かせてください。
勝志さん 部下への仕事の引き継ぎは、当時、育休取得に関しての一番のハードルだと感じていました。私は当時「メガロス」というフィットネスクラブの中にある、テニススクールセクションのチーフマネージャー職についており、テニスレッスンを行うヘッドコーチ業務とそのスクールの営業面の数字管理業務をメインに担当していたのですが、普段は自分一人で動かしている、要は自分にしかわからないような業務項目がたくさんあったんです。
そのため、まずは取得の数カ月前に業務の一つ一つを洗い出し、一覧としてまとめるところから始めました。その一覧を支配人と、マネージャーである部下に共有。部下には「この業務はこういう背景があって、こうした対応をするんだよ」と1つずつ説明し、取得前月には実際に2人でその業務を行い、取得する少し前には彼女1人でやってもらって、それを私が見てチェックするといった段階を踏みました。支配人には週次のミーティングで引き継ぎ状況を報告していましたね。
――とても丁寧に引き継ぎをされたのですね。不安は解消できましたか?
勝志さん はい。実務的なところで、マネージャーに自分しか把握していなかった業務を任せて大丈夫だと思えるところまでは落とし込み、共有できたので、安心して育休に入ることができました。
育休中は幼稚園が終わったら、公園にも寄って長女ちゃんと遊んでいたという勝志さん。「時には長女の友人も一緒に鬼ごっこをして、子どもたちを追いかけていました!」(勝志さん)
配信: マイナビ子育て