管理職パパが1カ月の育休を取得、復帰すると部下たちが目を見張る成長を遂げていた……!

管理職パパが1カ月の育休を取得、復帰すると部下たちが目を見張る成長を遂げていた……!

■夫婦の会話が増えた育休中。“自分への不満”も意識的に聞くように

――育休中のお話を聞かせてください。育休中は主に家庭内でどんなことを担当されていましたか?

勝志さん 事前に妻は食事・次女の授乳とお世話、私は掃除・洗濯・長女の面倒を見ることをメインにしようと話し合いました。そのほかの細かいことはできる方がやると決めていましたが、とにかく妻には体調を安定させてもらうことが一番なので、「自分が動けるところはできるだけやるから」と妻に伝えていました。

――そのお話は妊娠中にされたんですか?

勝志さん はい。育休を取得することが決まってから、徐々にですね。産後を想定して「これはどうする?」みたいな話題を何度か話し合いました。

――そもそも育休取得は透子さんの希望だったのでしょうか?

勝志さん いいえ。妻から相談されたわけではなく、私が「現実的に難しそうだから、育休を取得しようと思うよ」と妻に伝えました。

――どのような反応でしたか?

勝志さん とても助かると喜んでくれましたね。そこからすぐに「どれくらい取る?」という話になりました。妻からは「(我が家的には)長く取得する必要なく、仕事に支障のない期間を」との話があり、やはり産後一カ月は体調の変化が大きい期間だと長女の経験でわかっていたので、期間は一カ月と決めました。

育休終了後は「体調が安定しなかったのでワンオペでは絶対に無理だった。家事、育児を助けてもらったのも良かったし、家族の会話が増えた事が一番嬉しかった」と感想をもらいました。

――透子さんも出産直後はやはり体調が不安定だったんですね。

勝志さん 実は当時、そういった様子はあまり見られなかったんです。でも、辛さを出さないようにしてたんじゃないかな。妻はどっちかというと、大変なのを隠して頑張るタイプ。だからこそ、一カ月じゃなくてもう少し長い期間を取得したら良かったな……とは、後から感じたことです。

――「家族の会話が増えた」とありますが、夫婦の会話も増えましたか?

勝志さん はい。子どもたちが2人とも寝ている間など、お互いの余裕があるタイミングに「話せる?」なんて声を掛け合っていました。

――どんなことを話したか覚えていますか?

勝志さん ざっくばらんにいろいろな話をしましたね。「何か不満に思っていることない?」なんて聞いたり……。私は妻に対してまったく不満がないので言うことがないのですが、妻からはいろいろ出てきました(笑)。妻はそうして改めて聞かないと、言わないんです。なので、彼女の不満が溜まって爆発しないよう、ガス抜きがてら正直に話してもらうようにしていました。

育休中の深夜の次女ちゃんのお世話は、透子さんが授乳をして、勝志さんが寝かしつけを担当していたとか。「基本は全部やるつもりでやっていました。もちろん眠かったですが、世の中のお母さんは普通にこれをやってるんで、すごいなと感じました」(勝志さん)

■育休からの復帰後、部下の成長を感じた!

――育休を取得して良かったことはどんなことですか?

勝志さん 復帰初日に先ほど話をした部下のマネージャーと1on1を実施したのですが、彼女から「自身がマネージャーとしてもっと成長しないといけないと気付きました」という発言が出て、とても感動しました。ほかにもポジティブな発言が多く、1カ月で大きく成長したなと感じましたね。

また、彼女が必死にやる姿を見て、同じテニスのセクションチームにいるほかのメンバーも「彼女をサポートしてあげたい」という気持ちになったという話を聞いたんです。彼女の背中を見て、ほかのメンバーも奮起した流れが見えたので、それは個人的にとても嬉しかったです。

――チームの結束がより強くなったのですね。

勝志さん はい。普段は彼女も含め、私から一人一人に指示を出すことが多かったんですが、私の不在中はそれぞれが話し合って、チームとしてうまくいく方向に進めてくれたようです。また、テニスセクションの中に一人、新入社員がいたのですが、彼にも責任感が生まれ、「自分に何かできませんか」と声をかけていた……と後日談で聞きました。みんなが成長するいいきっかけになったと感じますし、もしかして自分がいないほうがいいチームなのでは? なんて思いました(笑)。とにかく職場のみんなが温かく送り出してくれ、さらに迎えてくれて、本当に感謝しています。

――家庭の方で良かったことはどんなことでしょう?

勝志さん 妻も言っていたように家族の会話が増えました。長女とも1カ月がっつり一緒にいたので、とても仲良くなりましたね。それまでは長女のハマっているものについて妻と長女で話しているのを聞いても、いつも「何それ?」なんて思っていたんです。それが育休中はプリキュアを一緒に見たり、流行っていたYOASOBIの「アイドル」を一緒に歌ったり踊ったりして、長女の好きなものが少しずつわかるようになりました。

――パパが自分の好きなことをよくわかってくれているって嬉しいですね。最後にこれから育休を検討している方にメッセージをお願いします。

勝志さん 私は育休を取得して、悪いことが一つもなかったです。長女の時になぜ取得しなかったのかと後悔しているくらい! ご家庭でさまざまな事情があると思いますが、機会があればぜひ取得してください!

ただし、育休取得には上司や周りの協力が必須。私の場合、後から聞いたところによると、普段店舗の支配人と自分とマネージャーが入る業務連絡用のLINEグループがあるのですが、育休中は私抜きのLINEグループを新たに作って、やりとりしてくれていたそうです。そのため、仕事の連絡が私に一切こなかったんですね。支配人がそう配慮してくれたと聞いて、周りのサポートをすごく感じ、さらにありがたく思いました。なので、育休を取得する方を取り巻く周囲の方やいろいろな会社、世の中も、そういったサポートを強化していく方向になってくれればと感じています。また、取得する側は取得前から取得後までの事前準備が大切だと実感したので、そこは頑張ってもらいたいですね。

(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)

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育児をしている共働き夫婦のためのメディア「マイナビ子育て」。「夫婦一緒に子育て」をコンセプトに、妊娠中から出産・産後・育休・保活・職場復帰、育児と仕事や家事の両立など、この時代ならではの不安や悩みに対して役立つ情報をお届けしています。
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