“クルクミン”は糖尿病を改善する!?
ウコンに含まれている“クルクミン”は、抗炎症効果や抗酸化効果があるということが古くから知られていますし、それ以外にも多くの健康効果が報告されています。
メトホルミンという糖尿病薬を内服している糖尿病患者272人に対して、クルクミンのサプリメント1500mgを足すことで血糖コントロールの変化が起こるのかを1年間経過観察する研究が行われました。
すると、クルクミンを追加することで、体重が減少し、ヘモグロビンA1cが改善して空腹時の血糖も良くなり、空腹時のインスリンの値も改善しました。
これらは、糖尿病の改善がかなり期待できるデータだといえます。
また、脂肪細胞から出る良いホルモンであるアディポネクチンが上昇し、糖尿病患者さんは過剰に分泌されることも多い満腹ホルモンのレプチンは激減していました。
この効果は、ほかの糖尿病治療薬の効果と比較しても遜色ないほど変化を引き起こしていて、糖尿病と診断されている人であれば、むしろ糖尿病薬として使ってもいいレベルでした。
そして、1年間の副作用がほぼないレベルだったので、安心して使えるものでもあります。
クルクミンは老化を遅らせる可能性も……
クルクミンの健康効果として、現在はアンチエイジングの分野が注目されています。
長寿に影響を与える主要なシグナル伝達たんぱくに哺乳類ラパマイシン標的たんぱく質(mTOR)というものがあります。
mTORはたんぱく質を構成したり、細胞を増殖したり、オートファジーを抑制したりします。
オートファジーとは細胞の中の不要な成分を分解するプロセスで、mTORはこういったものをコントロールしているのです。
これらのプロセスが活性化してしまうと、細胞の老化が促進したり、細胞ががん化したり、損傷した細胞がどんどん蓄積したりしてしまう可能性が……。
この活性が低下すると、逆にオートファジーが活性化するため、酵母や線虫、ショウジョウバエなどのモデル生物の実験では、mTORをブロックすることで寿命が延長することが報告されています。
つまり、細胞の中の機能の老化を抑制して若返らせる可能性があるということです。
人でもmTOR経路の抑制は老化プロセスを遅らせるという研究もあるのですが、クルクミンがmTORを抑制させる効果があるということが報告されています。
配信: クックパッドニュース