元日本テレビ記者・鈴木美穂、24歳で乳がんになり、闘病を乗り越えママに。がんになっても、自分の人生をあきらめない社会を作りたい

元日本テレビ記者・鈴木美穂、24歳で乳がんになり、闘病を乗り越えママに。がんになっても、自分の人生をあきらめない社会を作りたい

がんになっても、自分の人生をあきらめない社会をめざしていきたい

美穂さんは子育てをしながら、自身のこれまでの経験をいかして、マギーズ東京の共同代表理事を務めるなど精力的に活動しています。

――美穂さんが共同代表理事を務める、マギーズ東京について教えてください。

美穂 マギーズ東京は、東京都江東区豊洲にあり、がんを経験した人とその家族や友人などが、気軽に訪れてがんに詳しい友人のような看護師・心理士などと安心して話せる場です。利用は無料です。月平均400~500人が足を運んでくれます。

オープンから9年がたつのですが、まもなく今の土地の契約が終了するため、移転に向けて動いているところです。多くの人に気軽に利用してもらいたいので、どういうカタチで新しいマギーズ東京を作るか、スタッフと模索しているところです。

――ほかには、どのような活動をしていますか。

美穂 2024年からベンチャー企業のSmart Opinionに参画し、「AI乳がん検診『Smaopi(スマオピ)』」を普及するための準備を進めています。
この会社は、AI画像診断技術を活用して、乳がん検診のエコー検査の精度をあげる機器を開発しています。薬事承認取得済みで、もうすぐ医療現場でも使われる予定です。早期発見して適切に治療することができれば、多くの女性を乳がんから救うことができます。痛くなく、安定して精度が高い新しい検診を通じて、乳がんが怖くない世界をつくっていくのがミッションです。

これからも、私自身の乳がんの経験をいかしながら、さまざまな活動を通して、がんになっても自分の人生をあきらめず、幸せに生きて、自己実現ができる――そんな社会をめざして挑戦していきたいと考えています。

お話・写真提供/鈴木美穂さん 取材・文/麻生珠恵 たまひよONLINE編集部

「キャンサーギフト」という、がんがくれた贈り物という言葉があります。鈴木さんは「がんはつらい経験ですが、がんになったからこそ出会えた人、気づいたことがいっぱいある。今の私がいるのは、がんになって苦しかったあのときがあるから」と話します。

「 #たまひよ家族を考える 」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。

鈴木美穂さん(すずきみほ)

PROFILE
元日本テレビ記者・キャスター。2018年まで日本テレビに在籍し、報道局社会部や政治部の記者、ニュースコーナーのデスク兼キャスターなどを歴任。自身のがんの経験から、2016年、東京・豊洲にがんを経験した人やその家族、友人などが気軽に訪れて無料で相談できる「マギーズ東京」をオープン。認定NPO法人マギーズ東京共同代表理事を務める。「AI乳がん検診」を開発・普及する株式会社Smart OpinionのChief Communication Officer。著書に『もしすべてのことに意味があるなら』(ダイヤモンド社)。

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2025年3月の情報であり、現在と異なる場合があります。

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