ブリの旬は12月~2月の寒い時期とされています。。
その頃になるとスーパーや市場などで脂がのっておいしそうなブリを目にする機会も増えるのではないでしょうか?
また、ブリの若魚であるイナダ(ハマチ)やワラサは、代表的な養殖魚のひとつで、年中スーパーや市場でおなじみの魚ですよね。
ところが、あることが原因で!?最近は、昔ほど養殖用のモジャコ(ブリの幼魚)を取らなくなったせいか瀬戸内海から大阪湾一帯でワカシ(ツバス)と呼ばれるブリの幼魚や、イナダ(ハマチ)が大漁だととよく聞きます。
実際、若狭方面でもほぼ周年、ハマチが湧いているせいでジギングなどで大漁が続いているんです。
こんな状況ですから秋になると大敷き網にはハマチだけでなく、日本海側ではブリも混じって大量に入る事が多くなり、連日、大量に水揚げされていると聞きます。
これだけハマチが多いと取れすぎて値崩れするのは当たり前で、スーパーの鮮魚売り場でも○○産の天然ハマチが1匹200円とか300円で安売りされているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか?
小売り値でこれだから浜値はもっと安く、1匹100円の値が付くことも珍しくないそうです。
これではいくら水揚げしても大した収入にはならないと、ハマチ漁を諦めてしまった漁師がいるほど…。
そんな天然物のハマチの横に、養殖ハマチの切り身が並ぶことも珍しくないのですが、天然物が豊富な年は養殖物の方が値段が高くなっていたことはご存知ですか?
では、それはなぜでしょう?
養殖物はエサを大量に与えて、早く大きくするわけですから、その分エサ代などコストが莫大に掛かるわけです。
「短時間で効率よく育てて早く出荷する。」これが養殖魚の宿命なのでエサの消費量もすごい量になってきます。
ではイナダ(ハマチ)の場合、1キロ大きくするのに何キロのエサが必要だと思いますか?
な、な、なんと!!!!8~9キロのエサが必要だといわれています!!
ゆえに生産コストの半分以上がエサ代に消えてしまうわけですね。
かつては「取る漁業から育てる漁業へ。」というキャッチフレーズで、ハマチだけでなく色々な魚の養殖が手がけられましたが、養殖魚を1キロ大きくするのに天然物に比べると最低でも3、4倍、イナダ(ハマチ)などは8、9倍もの飼料(エサ)が必要だという現実を考えると、いかに効率の悪い事業かがお分かりいただけると思います。
これでスーパーや市場で値段を見ると、天然物なのになぜ養殖物の方が高いか、おわかりいただけたのではないのでしょうか。
しかしブリの旬は「寒ブリ」とも言われるように今が最高のおいしい季節!!
スーパーで購入するのもいいですが、ご自身で釣って養殖のブリと食べ比べしてみるのはいかがでしょうか?
また一段と、おいしく感じるかもしれませんね♪
配信: FISHING JAPAN
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