『ととのう展~ヘルスケアにつながる美術館~』が諸橋近代美術館にて開催!アートを通した“ととのう”感覚とは?


諸橋近代美術館

その“ととのう”キーワードに、『美術館からはじめるヘルスケア』を提案するユニークな展覧会が、福島県の諸橋近代美術館にて4月12日より開催されます。この記事では見どころをご紹介します。

博物館浴とは?ヘルスケア発想での新たな鑑賞体験!


ぃぃ《かたちかな》 2020年  ©︎ぃぃ 2025

まず「Introduction:“ととのう”ためのエクササイズ」では、流行語にもなった “ととのう” の概念を明らかにしながら、“ととのう”鑑賞体験のための鑑賞前の脳と体のエクササイズを紹介。眼の簡単なストレッチや頭を柔らかくするクイズ体験、さらに展示室内の目安歩数や消費カロリーの掲示など、かつてないヘルスケア発想での美術館の鑑賞体験を楽しむことができます。

続く「第1章」では、鑑賞体験が健康・ウェルビーイングにもたらす効果について、九州産業大学が研究を進める「博物館浴(博物館が持つ癒し効果を人々の健康増進・疾病予防に活用する活動)」を例に、科学的な実験方法やその結果を紹介します。

印象派の画家たちの作品から追体験する“ととのい”


アルフレッド・シスレー《積み藁》 1895 公益財団法人諸橋近代美術館

「第2章」で登場するのは印象派の画家たちの作品です。19世紀以降、ヨーロッパでは急速な近代化とともに、印象派をはじめとした多くの芸術家が都市から自然豊かな田舎町に出向き、戸外にて制作を行いました。

その背景には鉄道網の発達やツーリズムの発展による余暇活動が充実したという一面と、都市の中産階級における労働生活の日常化という一面がありました。

そこで本章では、印象派をはじめとした戸外制作の画家たちの表現を時代背景からひも解き、画家たちが自然にどのように魅せられ、戸外での制作に至ったのかについて紹介します。自然を前に感じた印象を、画家の“ととのった”瞬間と読み解き、印象派の画家たちの作品を通して、画家の“ととのい”を追体験することができます。