ハチ刺傷の前兆や初期症状について
ハチ刺傷は偶発的な事故により起きることが多いため、前兆はありません。
初期症状は、刺された瞬間に鋭い痛みを感じることが多く、ハチ毒による局所症状として、刺された部位に痛みやかゆみを伴う発赤や腫脹が生じます。強毒による重症例では、痛みによるショック症状や体温上昇などがみられることもあります。
一方、アレルギー反応が起きずに局所症状だけの軽症例では、通常は2~3日で軽快していきます。
強毒であるスズメバチなどに刺された場合や、全身の複数箇所を刺された場合、小児が刺された場合などは重症化のリスクが高いとされています。
アレルギー反応によるアナフィラキシーショックは、刺されてから15分以内の短時間で見られます。刺された人の意識、呼吸、脈拍などに異常が見られる場合はそれらが前兆となります。ハチ刺傷直後から吐き気、めまい、冷や汗、じんましん、ふるえなど何らかの全身症状が見られた場合はアレルギーを疑う状況です。アナフィラキシーショックのリスクは、2回目以降のハチ刺傷で高まることが知られています。
ハチ刺傷の検査・診断
ハチ刺傷の診断では、問診が最も重要です。受傷部位と刺したハチの種類を特定することが、治療方針に重要です。皮膚テストやハチ毒特異的IgE抗体測定を補助的に用いることもあります。
なお、アレルギー症状がすでに出ている状況であれば、診断より救命が優先されます。
配信: Medical DOC