ハチ刺傷の治療
ハチ刺傷の治療は、受傷直後におこなわれるべき応急処置、局所症状に対する一般的な治療、アレルギー反応が出た場合への対応があります。
受傷直後の応急処置
受傷直後は安全を確保したうえで、まずは傷口を流水でよく洗い流します。可能であれば「傷口を強く絞り毒を出す」「ポイズンリムーバーを使用する」といった応急処置が推奨されます。ミツバチに刺された場合は傷口に毒針が残っている場合があり、可能ならこれも取り除きます。
その後は安静にしてアレルギー反応に注意します。アレルギー反応の兆候が少しでもある場合は、医療機関への救急搬送が推奨されます。アドレナリン自己注射薬(エピペン®︎)などを携行している場合は使用します。
すでにアレルギー反応を起こしている場合は、救急搬送を待つ間にも、気道確保や人工呼吸、心臓マッサージなどの救命措置をおこないます。
局所症状に対する治療
局所症状に対しては、抗ヒスタミン剤やステロイド軟膏などを使用します。
アレルギー反応への対応
ハチ刺傷においてアレルギーの疑いが強い場合の緊急治療は、アドレナリン注射が第一選択です。アナフィラキシーショックの兆候がある場合、受傷後30分以内にアドレナリン注射などをおこなうと、救命率が高いとされています。
ハチ刺傷になりやすい人・予防の方法
ハチ刺傷になりやすい人は、林業、農業などの仕事に従事する人、庭仕事や山登りなどの自然と触れ合う趣味がある人です。
予防の方法は、ハチについて正しい知識を持つこと、事前にじゅうぶんな防護策をとること、アレルギーに対する予防措置をしておくことです。
ハチの多くは夏から秋にかけて巣が大きくなり、人間との接触も増えます。また、大きな音や振動などの刺激を受けると、興奮して攻撃性を増すことがあります。黒いもの、動くものを目標に攻撃する性質があるので、ハチに遭遇した場合は頭を隠し姿勢を低くして、ゆっくりその場を離れるとよいでしょう。万一刺されてしまっても、慌てず騒がず、安全を確保することが重要です。
山林に出かける場合は、黒い服装を避ける、肌をなるべく露出しないなどの防護策が有効です。林業従事者など、ハチ刺傷のリスクが特に高い人や過去にハチ刺傷でアレルギーの兆候があった人などは、万一に備え、アドレナリン自己注射薬(エピペン®︎)などの処方を受け、携行しておくこともアレルギーの予防策になります。
関連する病気
毒蛇咬傷
虫刺傷
クラゲ刺傷
フグ中毒
参考文献
国立感染症研究所|わが国における蜂刺症
ハチ刺傷 – 高梁市公式ホームページ
蜂刺傷 | 事故防止と対策 | 岡山大学保健管理センター
ハチに刺されたら|げんき情報|大阪府医師会
配信: Medical DOC
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