⚫︎「恋愛禁止」ルールはどうあるべきか
芸能事務所側としては主に3つの選択があります。(1)恋愛禁止を明言する。(2)恋愛禁止でないことを明言する。そして、(3)特に何も触れず、ファンの想像に任せる。
一番使いやすいのは3つ目の「ファンの想像に任せる」ファンタジー方式で、大手事務所が採用している印象があります。
なので、大手事務所では、アイドル側に恋愛が発覚したとしても、公式な不利益な処分や発表はしていません。アイドル本人がSNSで謝罪したり、活動自粛したりすることはありますが、事務所としては異性交遊でペナルティーを科すことができないことが前提にあります。
しかも昨今の社会背景のもと、仮に大手事務所が恋愛禁止を理由に処分やその発表をしてしまうと、人権やコンプライアンス上の問題になり、テレビ局やスポンサーなどの関係にも影響する可能性があります。
⚫︎理想の押し付けからくる誹謗中傷
ここで逆にストレスを溜め込んでしまうのが一部のファンです。
つまり「推しメン」に恋愛は望まないのに、事務所がそれに応じた動きをしてくれないと不満が募り、結果、SNSでの誹謗中傷に繋がります。
例えば「グループの一員として自覚が欠けている。」「グループの価値を下げるな」「他のメンバーに迷惑をかけるな」という感じです。
ファン側の「好き」という気持ちが強くなってくると、次第に「こうあるべきだ」という理想の押し付けに変わっていきます。
特に自己肯定感が不足した状態にいる中年男性やアイドルへの依存体質が強い人に多い印象ですが、「異性交遊をしている=活動を疎かにしている」と置き換えて認知するタイプもいます。
配信: 弁護士ドットコム