5.順位を意識した行動

猫は犬のように明確な上下関係は持ちません。しかし、複数の猫が同じ空間にいると、自然に「誰が先に食べるか」「誰がこのベッドを使うか」といった優先順位が作られることがあります。これも「争いを起こさないため」の猫たちなりの知恵のひとつです。
たとえば、トイレを使っている猫がいれば、ほかの猫は別のトイレへ移動したり、時間帯によって使う場所を交代したりするなど、折り合いをつけるための調整をしています。
猫の優先度は、おおまかに見て「先住順」→「年齢順」→「体格の大きい順」→「オス猫」→「メス猫」の順番で、社会的な優位性が変化します。さらに飼い猫の場合は、飼い主との関係性(仲良し度)も影響することも。
成熟した体の大きいオス猫が、リーダー的なポジションになることもありますが、それは絶対とは限りません。先住猫が年上のメス猫であれば、日によって交代する場合や、ある場面だけ支配的になる猫もいます。
猫たちは柔軟な関係性の中で自分の居場所を見つけながら、うまく折り合いをつけて暮らしているのです。
まとめ

多頭飼いをしていると「うちの猫たちはまったく仲良くしてくれない」と感じる飼い主さんも多いかもしれません。一緒に寝たり遊んだりしない猫たちを見ると、表面的には距離があるように見えても、実はそれぞれが猫同士のマイルールを守っているのかもしれません。
猫が複数匹同じ空間にいれば、ときに小競り合いをする姿を見ることもありますが、お互いのパーソナルスペースを尊重することや視線やニオイ、ボディランゲージを使って、ケンカにならないようにうまく折り合いをつけているのです。
無理に仲良くさせようと人間が過剰に干渉するよりも、一歩離れて見守っておくほうが、愛猫たちも自然な関係性を築けるようになるでしょう。
配信: ねこちゃんホンポ
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