血糖値が急上昇した時の症状とは?Medical DOC監修医が血糖値が急上昇する原因・対処法や予防法などを解説します。
≫「血糖値」が上がると現れる「症状」や上がりやすい人の特徴はご存知ですか?
監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
血糖値とは?
血糖値とは、血液中のブドウ糖(グルコース)濃度を指します。私たちが食事から摂取した炭水化物は、小腸で「ブドウ糖」という物質になり、血液中に吸収されます。ブドウ糖は、全身の細胞にエネルギーを供給する役割を担っています。
空腹時血糖値の正常範囲は70〜99mg/dLとされています。ただし、100〜110mg/dLの範囲は「正常高値」とされることがあり、将来的な糖尿病リスクを評価するための指標となる場合があります。
この調整には、「インスリン」が重要な役割を果たしています。インスリンは、すい臓から分泌され、血糖値を下げる働きがあります。
しかし、インスリンの出る量が不足したり、その働きが悪くなったりすると、血糖値が高い状態が続く「高血糖」となり、糖尿病などを発症する可能性が高くなります。
血糖値は、健康状態を知るにあたって重要な項目の1つです。そのため、普段から血糖値を管理して、健康な生活を維持しましょう。
血糖値が急上昇する原因
血糖値が急激に上昇する症状は、以下のような原因で生じる可能性があります。
食事の影響
高糖質の食品や飲料を多く摂取すると、血糖値が急上昇しやすくなります。特に、市販されている甘いお菓子やジュースに大量に含まれている「精製糖」や、白米・食パンなどの高GI(グリセミックインデックス)食品は、血糖値を急激に上げる傾向があります。 高GI食品とは、食後に血糖値を急激に上げる食品のことです。
また、食事を抜いた後に一度に大量に食べる「ドカ食い」も、血糖値を急上昇させる原因の1つです。空腹状態が続いた後の食事は、血糖値の急上昇を招きやすいため、注意が必要です。
運動不足
普段からの適度な運動は、血糖値を下げる効果が期待できます。特に、ウォーキングなどの有酸素運動や、筋力トレーニングが効果的といわれています。
しかし、運動不足の状態が続くと、インスリンの働きが低下し、血糖値が上がりやすくなるため注意が必要です。
ホルモンの影響
ストレスが高い状態が続くと、ストレスホルモンである「コルチゾール」や「アドレナリン」の分泌が増加します。これらのホルモンは、肝臓からのブドウ糖の放出を促進するため、血糖値が高くなります。
配信: Medical DOC