痛風の発作が起きると、痛みは2~3日で軽減し、1週間ほどで元に戻ることが多いですが、再発する可能性もあります。痛風の予防や再発防止にはどのような生活習慣の改善が必要なのでしょうか? 「つぼ内科おなかクリニック」の津保先生にお話を伺いました。
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編集部
一度痛みがでると、どれくらい続くものなのですか?
津保先生
発作が起きた場所は赤く腫れますが、痛みは2~3日で軽減します。痛み止めや炎症を抑える薬で、1週間もすれば元に戻るでしょう。なにもしなくても10日ほどで落ちつきます。発作が起きた直後は痛すぎて、病院に来られないという人もいるようです。
編集部
発作はまた起こるのですか?
津保先生
そうですね。痛みが無くなっても、尿酸値が高いままだと尿酸塩結晶は溜まっているため、痛みが再発します。慢性化すると複数の関節が同時に痛くなることもありますよ。尿酸値を下げる薬はありますが、根本的には生活習慣を改善しないと難しいと思います。
編集部
どういうことでしょう?
津保先生
尿酸値が高くなる原因はさまざまです。尿酸はプリン体という物質からでる老廃物なので、プリン体を多く含むレバーやエビなどの過剰摂取をやめるのは効果的です。ただそれだけで改善されるわけではなくアルコールの摂取制限、定期的な有酸素運動、ストレスを溜めないなど、生活全体を見直すことが重要なのです。
編集部
アルコールの摂取制限について目安を教えてください。
津保先生
尿酸値に影響しない量の1日の目安はビール500ml、焼酎120ml、ウイスキー60ml、日本酒やワインは180mlと言われています。週2日の休肝日も必要です。ビールが痛風の原因とよく言われますが、ビールだけでなくアルコール自体が尿酸を増やすので、飲酒量を減らすよう心がけましょう。
編集部
運動量はどうですか?
津保先生
週3回程度、1日20分ほどウォーキングなどを行うといいですよ。脱水から痛風を発症しやすいので、運動後はしっかり水分を補給してくださいね。過度な筋力トレーニングなどの無酸素運動は悪化の原因になるので気をつけましょう。
監修医師:
津保 勝郎(つぼ内科おなかクリニック)
昭和大学医学部卒業後、同大学の大学病院に勤務。社会保険都南総合病院(現・東京北医療センター)や東京都保健医療公社荏原病院に勤務後、つぼ内科おなかクリニックを開院。専門は一般内科、消化器内科。幅広い症状に対する初期診断をはじめ、胃カメラやピロリ菌除菌など専門的な治療まで行っている。
※この記事はメディカルドックにて【痛風になったら一生治療が必要なの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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