加齢による眼瞼下垂は、視界の不調や重いまぶたを引き起こし、手術での治療が一般的ですが、治療の目的や手術の方法は医療機関によって異なります。眼科と美容整形外科の眼瞼下垂手術について、「杉田眼科」の吉田先生にお話を伺いました。
編集部
年齢的なもしくは加齢性の眼瞼下垂になってしまった場合の治療法は手術しかないのでしょうか?
吉田先生
手術だけです。ただし、「眼科」と「美容形成外科」では手術の目的が違います。この点については、理解しておいていただきたいですね。
編集部
どのように違うのでしょうか?
吉田先生
眼科では基本的な治療は変わらず、見えにくくなったものを見えるようにすることが最大の目的です。一般的な症状のものであれば眼科、より重度のものや外傷がある場合は形成外科で行います。
美容形成外科は、まぶたの形を変えて目を大きくさせるような美容が目的です。軽度の症状で視野が狭くなっているわけではないなど、体の働きに問題がなくても行う場合がこちらになります。
編集部
手術にはいろいろな方法があるのでしょうか?
吉田先生
手術は、眼瞼下垂の程度やその人の目の状態などによって、いろいろな手術法が考えられます。5、6種類はありますね。最近は、まぶたを切らない眼瞼下垂の手術も出てきています。ただ、適用を間違うとうまくいかないばかりか合併症が出る場合もあるので、主治医と話し合いをしながら決めるといいでしょう。
編集部
患者側からすると、目の手術というと、何となく恐いような気がします。
吉田先生
目の手術を受けたことがない人はもちろんですが、なかには眼科に初めて来たという患者さんもいらっしゃいます。ですから、目の手術は恐そうだと思うのも無理はありません。けれど、冷静に考えれば外科や産婦人科のように命に関わるようなリスクはほぼありませんから、眼瞼下垂手術のハードルが高いということはありません。
編集部
ちなみに保険は適用されますか?
吉田先生
眼科の場合は目の形をよくすることを目指して手術をするわけではないので、ほぼ保険適用の手術です。目をパッチリ大きく見せようといった美容を目的とする場合は自費になりますので、手術前には確認してください。
監修医師:
吉田 真人(杉田眼科)
昭和大学医学部卒業後、同大学病院附属東病院眼科での准教授(医局長)を経て杉田眼科院長に就任。現在は、昭和大学病院附属東病院眼科兼任講師(医局長)。専門は白内障、眼形成、涙道、前眼部疾患。日本眼科学会認定眼科専門医。医学博士。
※この記事はメディカルドックにて【眼瞼下垂が頭痛や肩こりの原因になるって本当?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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