お酒を飲む機会が多い人にとって、意識して摂りたい栄養素ナイアシン。アルコールの分解を助ける働きがあり、二日酔いの予防や改善に役立つといわれています。さらに、ナイアシン不足は病気を引き起こすことも。ナイアシンの重要性について、薬剤師の浅田さんに解説していただきました。
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編集部
どうして飲酒する人にナイアシンがおすすめなのでしょうか?
浅田さん
アルコールは、肝臓でアルコール脱水素酵素によって「アセトアルデヒド」に分解されます。そして更に、アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に分解されます。この過程において、ナイアシンには二日酔いの原因となる「アセトアルデヒド」を分解する酵素の補酵素として働くため、アルコール代謝において必要不可欠な栄養素なのです。
編集部
ナイアシンを摂っていれば、お酒を飲みすぎても大丈夫ですか?
浅田さん
普段から十分な量のナイアシンを摂取することで、アルコール代謝が問題なく進み、二日酔いを予防したり、改善したりすることは期待できます。しかし、お酒を大量に飲むことでナイアシンは消費され不足してしまいますので、肝臓などの臓器には大きな負担がかかります。そのため、適度な飲酒をおすすめします。また、ナイアシンはアルコール依存症の治療にも効果的というデータがあります。
編集部
ナイアシンが不足すると、身体にはどのような影響がありますか?
浅田さん
ナイアシンが極度に欠乏すると、様々な症状が引き起こされます。ナイアシン欠乏症は「ペラグラ」と呼ばれており、主な症状は皮膚炎や口内炎、舌炎、また吐き気や下痢などの胃腸障害、不眠、精神神経疾患などです。
監修薬剤師:
浅田 麻希(薬剤師)
昭和薬科大学薬学部生物薬学科卒業。大手調剤薬局チェーンにて様々な店舗を経験後、2017年からはフリーランス薬剤師・派遣薬剤師に転身。薬局業務の傍ら、ライターとしても活躍の場を広げる。現在は有名皮膚科での研修・10年以上の調剤薬局勤務経験を生かし、育児の傍ら医療・美容ライターとして活動中。
※この記事はメディカルドックにて【アルコール好きには必須!? 酒飲みに不足しがちな栄養素「ナイアシン」って何?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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