魚に含まれるDHAやEPA、DPAといった脂肪酸には、認知症予防や生活習慣病のリスク軽減に関わる可能性があると言われています。これらの働きや効果について、管理栄養士の片村さんに詳しくお聞きしました。
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編集部
DHA、EPA、DPAとはどのようなものか詳しく教えてください。
片村さん
DHA・EPA・DPAはn-3系不飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪酸です。これらは体内で合成することができず、不足すると皮膚炎などを発症します。このことから1日あたり1gの摂取目安量が設定されています。
編集部
DHA、EPA、DPAの効果にはどのようなものがありますか?
片村さん
中性脂肪の低下、不整脈の発生防止、血栓防止などの生活習慣病に関わるものが挙げられています。60歳以上になると魚介類の摂取量がグンと高くなるのですが、これは加齢に伴い健康意識が高まっていることが背景にあり、このような情報を元に食事を選択しているのではないかと推察できます。
編集部
認知症予防に対する効果はどのような働きによるものでしょうか?
片村さん
DHA、EPA、DPAなどのn-3系不飽和脂肪酸は、神経機能に保護的に働く可能性が示唆されています。そのなかでも、最も認知症予防に関連があると考えられているのがDHAです。DHAは私たちの脳内の細胞膜にも多く含まれており、特に記憶を司る海馬の活動になんらかの関係があると考えられています。しかし、まだ明確な根拠やデータがないので明言はできません。
監修管理栄養士:
片村 優美(管理栄養士)
「無理をしない健康づくり」をモットーに、手間をかけずに食べられる家庭料理を推奨している。現在は短期大学において栄養士を目指す学生に調理学を教えている。これまで従事した業務は記事の執筆や商品開発、レシピ開発など。地域活動として料理教室や健康講座をおこなってきた。
※この記事はメディカルドックにて【魚が認知症予防に効果的な理由を管理栄養士が解説 どのくらい摂取するのが望ましいのか】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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