【例文あり】年賀状の返信はいつまで?寒中見舞いと喪中の対応

第3回 いまさら人には聞けない! 年賀状の基本の「キ」
年賀状にまつわる悩みのなかに、「送っていない相手から年賀状が送られてきた」や「喪中の人にはどうすればいいの?」というものがありますよね。そこで、どう対応するのがベストなのか、元全日本空輸株式会社の客室乗務員で、現在はNPO法人日本サービスマナー協会の講師を務める森良子さんに話を聞きました。

年賀状を受け取ったらできる限り返信を出す

人によっては年賀状を面倒と感じる人もいて、年賀状を受け取っても返信を出さない人もいます。しかし、これはNG。

「年賀状をいただいたにも関わらず、返信を出さないことは、よほどの理由がない限り、やはり失礼にあたると感じます。人としてのマナーや礼儀の観点ではなにかしらのアクションを返しましょう。はがきでのご挨拶が難しいようなら、個人的には電話やメールといったツールを活用してもよいと思います。大切なのは相手に気持ちを伝えることです」(森さん、以下同)

また、自分からは送っていない相手から年賀状をもらうケースも多々あるものですが、返信を書く際に「書き忘れた」につながる表現は、相手に失礼になる場合もあるので注意が必要。森さんによると、以下のような文章を使用するといいそうです。

【例文】
・新年のご挨拶が遅れてしまい大変失礼いたしました。
・早々の年賀状をいただき、誠にありがとうございました。
・ご丁寧な年賀状をありがとうございました。新年のご挨拶が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。

【例文あり】年賀状の返信はいつまで?寒中見舞いと喪中の対応

年賀状として返信を出せるのは1月7日まで

年賀状の返信を出すタイミングによっては、寒中見舞いに切り替えなければなりません。具体的には…。

「一般的に年賀状は『松の内』といわれる1月7日までに出すのが望ましいと思われます。寒中見舞いは1月5日の小寒から立春までに送ることができますので、それ以降は寒中見舞いとして出したほうがよいでしょう」

正月三が日に年賀状を受け取り、すぐに返信を出せるようであれば年賀状として、少し時間がかかりそうなら寒中見舞いとして投函したほうがよさそうです。

喪中の相手には年賀状ではなく寒中見舞いが一般的

「喪中はがきを受け取ったから●●さんには年賀状を出すのを控えよう」というのは、よくある話。でもこれは、正しい情報なのでしょうか?

「喪中はがきは正式には『年賀状欠礼の挨拶状』といいます。意味合いとしては『喪中につき年始のご挨拶を控えさせていただきます』と、喪中を知らせる目的ではなく、喪中のため挨拶ができかねます、というお知らせです。ですので、喪中の方に年賀状を送ってはいけないということはありませんし、受け取ることにも問題はございません」

しかし、これはあくまでも喪中はがきがどういうものなのかということ。森さんによると、現在は喪中のはがきをもらったら年賀状を控えるのが一般的だそうで、代わりに寒中見舞いを送るのがベストだといいます。

寒中見舞いは季節の挨拶状なので、年賀状のように決まったルールはありませんが、喪中の相手に送る場合などは注意点があるそう。

1)年賀はがきを使用しない
2)正月に関する言葉は使用しない
3)拝啓、敬具などの頭語、結語は不要
4)家族写真などのプリントは控える

これらを踏まえたうえで、以下のようにまとめるようにしましょう。

【例文】
寒中お見舞い申し上げます。
寒さ厳しい毎日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
(自分の近況などを書く)
お身体をどうぞご自愛くださいませ。
日付 ●●年●月

年賀状であっても寒中見舞いであっても、何よりも大切なことは「相手を気遣うこと」。予定していなかった年賀状や喪中のはがきが届いたら、慌てずに1枚1枚丁寧に対応することを心がけましょう。
(文・奈古善晴/考務店)

※本記事の情報は執筆時または公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

お話をお聞きした人

森良子
森良子
NPO法人日本サービスマナー協会認定講師
全日本空輸株式会社に客室乗務員として入社後、約10年間、国内線・国際線の乗務にあたる。組織内では、チームコーディネーターとして、新人及び班員の育成指導などに携わる。現在は、全日本空輸株式会社での経験を活かし、一般企業の新入社員教育やビジネスマナー講座、接遇講座、電話応対講座など、幅広い講座を担当している。
全日本空輸株式会社に客室乗務員として入社後、約10年間、国内線・国際線の乗務にあたる。組織内では、チームコーディネーターとして、新人及び班員の育成指導などに携わる。現在は、全日本空輸株式会社での経験を活かし、一般企業の新入社員教育やビジネスマナー講座、接遇講座、電話応対講座など、幅広い講座を担当している。