「一般的には、既婚者が配偶者以外と性的関係をもつことを『不倫』、それ以外を『浮気』というイメージが強いですが、法律上は『不倫』も『浮気』もほぼ同じ意味で、どちらも不貞行為と呼ばれます。定義として、『配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと』ですね。キスや二人きりでのデート、何度も食事に行くなどの行為は、不貞行為にはあたりません。違法とされるのは、『結婚している間柄』『婚約している関係』『事実婚(内縁)の関係』においての不貞行為に限ります」(篠田さん 以下同)
ただし、一度限りの肉体関係でも不貞行為にあたるが、裁判で離婚原因として認められるには、継続的な肉体関係を伴うものでないと難しいそう。実際に不倫がきっかけで裁判が行われた場合、どんな結末が待っているのだろう?
「不倫をした側が離婚裁判で負けた場合、慰謝料を請求されます。また、『離婚したくない』と言い張っても、離婚判決が下されてしまえば、強制的に離婚せざるを得なくなってしまいます。慰謝料は配偶者の不倫のせいで離婚する場合、あるいはしない場合も請求することが可能です。ただし、当然前者の方が精神的なダメージが大きいので、慰謝料の額が大きくなります。相場は、離婚しない場合は100万円程度(もしくはそれ以下)、離婚となった場合は200~300万円程度でしょうか」
数百万円レベルとはかなりの金額…! 篠田さんによれば、不倫による離婚は金銭面以外にも大きな影響を及ぼすそう。
「社会的にも、周囲の人たちから噂されたり、会社での評価が下がったりするなどのリスクが予想されます。職場で不倫の噂が広まった場合、会社側は解雇を言い渡すことは法的には難しいですが、結局のところ居心地が悪くなり、自ら退職を選択せざるを得なくなることもあります」
リアルに考える機会が少ない「不倫」の実態。やはり相当なリスクが伴うことに間違いはなさそうだ。
(波多野友子+ノオト)