それってそもそもなぜなの? きれいな収納ができている人は、どこが違うの? 整理収納アドバイザーの西口理恵子さんに聞いた。
●「整理」「収納」「整頓」「片付け」は別の行為と心得て!
「ご依頼いただくお客さまのケースとして多いのは『整理』と『整とん』『片付け』『収納』がごっちゃになっていて、区別がついていないこと。同じようなイメージを持たれがちですが、それぞれ全く別の行為なんです」(西口さん 以下同)
実はその4つは、やることがそれぞれ異なるうえ、「正しい順序」があるという。
「これらの正しい順序は、『整理→収納→整とん』です。皆さん、まず収納ボックスを買うなどから始める方が多いですが、収納の仕組みを作っていないのにアイテムだけ買ってしまうのが間違いの元。適当に収めただけで整とんができていなかったり、使った後に元の位置に戻せなかったりして、散らかっていくのです」
具体的に、どのように考えていけばいいの?
「まず、『整理』は種類別に分けること。例えば、文房具であれば、書くもの、貼るもの、切るものなどいろいろありますよね。また、服の場合も、トップス、ボトムス、ワンピースなど、さまざまに分けられます」
さらに「収納」は、ハンガーをそろえたり、仕切りを作ったり、ラベリングしたりといった具合に、「使いやすいように仕組みを作ること」
そして「整とん」は、使いやすいように整えることだとか。
「使いやすさを考えた場合、服であれば、チェストの高さは100cmくらいまでに抑えます。夏や冬などの季節で分けたら、さらに色で分けます。すると、探す手間や時間が省けます」
●「片付け」は、元の場所に戻すこと
さらに、「片付け」は、それら3つを経てから行うもの。元の位置に戻すだけの作業だそう。
「子どもにお片づけしようと言っても、なかなかできず、『うちの子、片付けられない子かも』と思っているママはたくさんいますよね。でも、幼稚園や児童館などの遊び場では、ちゃんとお片づけしているはずです」
外ではできることが、なぜ家でできないかというと…。
「家でお片付けできないのは、幼稚園などと違って、自分の家では置き場所をきちんと決めていないからということが多いんですよ」
実は、西口さんには2歳と4歳のふたりのお子さんがいるが、それぞれの子の身長に合わせた高さのフックを付け、ラベリングしておくことで、二人とも帰宅後に自分のカバンをかけるという。なんて賢いの!?
「大切なのは、使いやすい場所に収納を作ること。また、ただフックがあるだけでは、どっちが誰の何かわかりませんが、ラベリングすると、『自分の場所』ということが幼児でもわかるんです」
きれいな収納にならないのは、モノの種類分けや使いやすい置き方ができず、ただなんとなくモノをどこかに収めているから。
自分の家が散らかりがちな原因がどこにあるか、ちょっと見直してみない?
(取材・文:田幸和歌子 編集:ノオト)
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