幸せなはずなのにイライラ…感情の振り幅に戸惑う産後の女性たち
出産後に気性が荒くなったり不安を感じてしまうのはどうしてなのでしょうか?
「出産という大きなイベントを終えた直後の女性は、通常の状態に比べて、高揚感がとても高い状態になっています。ところがそれと同時に、赤ちゃんのお世話をうまくやっていけるのかなど、膨大な量の不安も一緒になって押し寄せてきます。ポジティブな感情とネガティブな感情の起伏がものすごく激しい状態に置かれる中で、ネガティブ面がより強調されてしまうのでしょう」(横畑先生、以下同)
確かに、赤ちゃんが生まれて嬉しい反面、夜泣きで睡眠不足に陥ったり、母乳の出が悪くて悩んだり…産後のママは悩みごとのラッシュ状態になりますよね。
「赤ちゃんが生まれたらみんな幸せなはず、という思い込みも自分を苦しめているのだと思います。幸せの絶頂にいるはずなのに、なんで私だけこんなにつらい状況なんだろうと、イメージとのギャップに悩まされてしまうのです」
感情の振り幅が大きい中で、些細なことにもイライラしてしまったり、攻撃性を強めてしまうことがあるのですね。
ガルガル期の原因は?環境の変化やパートナーとの協力体制の有無をチェック
産後の環境の変化も「ガルガル期」に大きく関わってくるのだとか。
「赤ちゃんが生まれると、それまでとは環境が激変します。産後は2時間3時間おきに起きて授乳したり、泣き止まない子どもを抱っこし続けたり…自分のペースで行動することがほとんどできなくなってしまいますよね。疲れがたまっている状態で苛立ったり落ち込んだりするのは、産後の女性に限らず誰にでも当てはまることなんです」
「また、父親である夫にすら赤ちゃんに触れてほしくないと感じる人もいるようですが、夫婦でしっかり連携を取りながら育児する体制がとれるようになれば、次第に夫のことを信頼して赤ちゃんを任せられるようになっていきます」
赤ちゃんのことはすべてママの責任なんだと、自分一人で背負いこみすぎることが「ガルガル期」を生み出す原因にもなるのですね。
「イライラの理由がわからなくて、自分がおかしいのではないかと責めてしまう状態はつらいですよね。気持ちを整理するためにも、自分なりの解釈でかまわないので、なぜイライラしてしまうのか、思いつくままに紙に書き出してみるのもおすすめですよ」
「ガルガル期」を生み出す原因は様々。「なぜイライラするのか」を自分自身に問いかけることで、少しでも肩の荷をおろせるといいですよね。
(文・宇都宮薫)