知って損ナシ!年賀状の基礎知識

知って損ナシ!年賀状の基礎知識

第1回 今さら人に聞けない、年賀状のマナー
そろそろ、年賀状の準備を考える時期。年始のご挨拶として、いつもお世話になっている方やご無沙汰している方へのご挨拶状というのは何となくわかっているけれど、いつごろからこの風習はあるのだろうか。オールアバウトの冠婚葬祭マナーガイド、中山みゆきさんに聞いてみた。

「そもそも、年賀状のやり取りが行われるようになったのは、平安時代といわれています。藤原明衡がまとめた手紙の文例集のなかには、年始の挨拶の文例が見つかっており、この頃には一部の貴族が年始のあいさつを書状でやり取りしていたようです。庶民に広まってきたのは江戸時代。町飛脚を使って町人などが手紙を出すようになり、さらに明治時代には郵便事業の創業や郵便はがきの発行によって、年賀状のやりとりが普及しました」(中山さん 以下同)

年賀状の歴史がそんなにも古かったとは…! もはや日本における年始の伝統行事だけど、そのマナーについては意外と知らないこともいろいろとありそう。例えば、年賀状を相手に届ける期限。元日、せめて三が日には届くようにはしたいけど、年末は毎年慌ただしくて全然間に合っていない気が…。

「年賀状は1月3日までに届くのがベストですが、7日までに届けば失礼に当たりません。7日まで届くのなら、年賀状の日付に『元旦』と書いてもOKですよ」

ちなみに、12月25日までにポストに投函すれば、日本全国どこでも元日には届く。また、自分は出していない相手から届いた場合も、なるべく早く返事を出すのがマナーだという。

知って損ナシ!年賀状の基礎知識

「出すのが遅れて8日以降に着きそうな場合は『寒中見舞い』として送ります。その場合、遅れた理由も一言添えるのがポイントです。相手が親しい友人の場合は、電話やメールでの返事でも大丈夫です」

相手によっては、メールやSNSでもアリだとは! しかし、よくよく考えると、あえてハガキの年賀状を出すメリットがないような気がしたけれど…。

「年賀メールに比べると丁寧で正式な印象を与えます。また、年賀状は『今年もよろしくお願いします』と言う気持ちを相手に伝えるだけでなく、相手の『幸せを祈る』のが本来の意味。1年に一度近況を伝えるためのごあいさつとして、ぜひ年賀状を出してみましょう」

年賀状本来の意味はそういうところにあったのか。最近は筆が遠くなったという人も、大切な人に向けて年賀状を出してみない?
(北東由宇+ノオト)

お話をお聞きした人

中山みゆき
中山みゆき
冠婚葬祭マナーガイド
All About冠婚葬祭マナーガイド。冠婚葬祭サイトの運営に携わり、マナーのアドバイスや情報発信を行なうほか、雑誌や新聞などのメディアでも活躍。
All About冠婚葬祭マナーガイド。冠婚葬祭サイトの運営に携わり、マナーのアドバイスや情報発信を行なうほか、雑誌や新聞などのメディアでも活躍。