一昨年、『一千兆円の身代金』で第12回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して、颯爽と作家デビューを飾った八木圭一さん。今秋には同作のドラマ化も控え、ますます活躍の場が広がりそう……! そんな気鋭の素顔に迫りました。
■身代金はなんと1085兆円!
――デビュー作『一千兆円の身代金』のドラマ放映が迫っています(10月17日・フジテレビ系列で放映)。SMAPの香取慎吾さんが主演を張る豪華なキャスティング。まずは映像化が決まった際の心境から聞かせてください。
「オファーはわりと早い段階でいただいていたのですが、何せ駆け出しなので全てが初体験で、本当に実現するのか半信半疑だったんです。あまりはしゃぎ過ぎると、ポシャった時にカッコ悪いですし(笑)。でも、春先に脚本を見せていただいて、やっと実感が持てました。じつは母が香取さんの大ファンなので、僕に負けず劣らず喜んでくれたので、親孝行できましたね」
――実際に撮影現場も見学されたそうですが、いかがでしたか?
「自分が書いた原稿が、プロデューサーや演出家など多くの方の手によって映像になるというのは、なんだか不思議な体験でした。お邪魔したのはスタジオ内に廃墟の一室を再現したシーンで、撮影は朝から深夜に及び、あらためて映像の現場の苛酷さを痛感させられもしました。そんな中でも、香取さんがちょっとした冗談で周囲を笑わせていたりして、とても明るい雰囲気だったのが印象的です」
――本作は誘拐犯が「1085兆円」という、財政赤字(2012年度)と同じ額の身代金を国に要求する、大スケールのミステリーです。原作と比べ、ドラマ版ではどのようなアレンジがされているのでしょうか。
「原作はわりと社会派の視点で書いていますが、ドラマでは尺が限られていることもあり、人間ドラマの部分がより強調された構成になっています。説明がくどくなりがちな題材ですが、ドラマ版ではそのあたりのバランスをよく考えていただいていると感じます」
■ノンフィクション作家志望からの転向
――この身代金はミステリー史上最高額ともっぱらの評判ですが、ストーリーの着想はどこから?
「僕はもともと大学で財政学を学んでいたので、膨らみ続ける国の借金に、強い危機感と不満を感じていたんです。そこで最初はこうした財政赤字や地方経済の問題を書くために、ノンフィクション作家を目指していました。しかし、コンテストに応募してもなかなか受賞に至らず……。ある日、小説の編集をやっていた友人から、『そういうテーマこそエンタメにするべきだ』とアドバイスをもらい、小説を書くことにしたんです」
――そうして初めて執筆した作品が、見事に『このミステリーがすごい!』大賞を受賞。まさしくトントン拍子ですね。
「それまで自分が小説を書くことになるとは夢にも思っていなかったので、人気のある作品や小説作法の本を読んで勉強しました。でも、大賞に選んでいただけたのは完全に想定外でしたね。『このミステリーがすごい!』大賞は、選外の作品でも“隠し球”として出版してもらえるケースがあるので、それに引っかかれば御の字、くらいに考えていたんです」
――ところで、八木さんはもともと雑誌編集者で、現在はコピーライターとの兼業だそうですね。小説を書くうえで、それらのキャリアは生きていますか?
「それはもう、存分に生かされていると思います。とくに編集者時代は、エンタテインメントの視聴層と相性のいい、20~30代向けの女性誌に携わっていました。当時蓄えた知識や情報は作品にも随所に盛り込まれていますし、これからも自分にとって1つの武器になると思っています」
「僕はもともと大学で財政学を学んでいたので、膨らみ続ける国の借金に、強い危機感と不満を感じていたんです。そこで最初はこうした財政赤字や地方経済の問題を書くために、ノンフィクション作家を目指していました。しかし、コンテストに応募してもなかなか受賞に至らず……。ある日、小説の編集をやっていた友人から、『そういうテーマこそエンタメにするべきだ』とアドバイスをもらい、小説を書くことにしたんです」
――そうして初めて執筆した作品が、見事に『このミステリーがすごい!』大賞を受賞。まさしくトントン拍子ですね。
「それまで自分が小説を書くことになるとは夢にも思っていなかったので、人気のある作品や小説作法の本を読んで勉強しました。でも、大賞に選んでいただけたのは完全に想定外でしたね。『このミステリーがすごい!』大賞は、選外の作品でも“隠し球”として出版してもらえるケースがあるので、それに引っかかれば御の字、くらいに考えていたんです」
――ところで、八木さんはもともと雑誌編集者で、現在はコピーライターとの兼業だそうですね。小説を書くうえで、それらのキャリアは生きていますか?
「それはもう、存分に生かされていると思います。とくに編集者時代は、エンタテインメントの視聴層と相性のいい、20~30代向けの女性誌に携わっていました。当時蓄えた知識や情報は作品にも随所に盛り込まれていますし、これからも自分にとって1つの武器になると思っています」
――最後に、今後書きたいテーマやモチーフなどあれば教えてください。
「力量不足を痛感する日々ですが、これから小説家として活動していくにあたっても、ノンフィクション作家を目指していた頃の心は忘れずにいたいですね。社会問題や時事問題を、自分なりにエンタテインメントで表現していきたいです。その一方で、たとえば恋愛小説の構想も温めていますし、いずれはミステリー以外のジャンルにもチャレンジしていければと思います」
10月3日(土)には待望の第二作、『警察庁最重要案件指定 靖國爆破を阻止せよ――』が発売に。小説に意欲的に取り組む八木さんが、これからどのような活躍を見せるのか、どうかお楽しみに!
(友清 哲+ノオト)
「力量不足を痛感する日々ですが、これから小説家として活動していくにあたっても、ノンフィクション作家を目指していた頃の心は忘れずにいたいですね。社会問題や時事問題を、自分なりにエンタテインメントで表現していきたいです。その一方で、たとえば恋愛小説の構想も温めていますし、いずれはミステリー以外のジャンルにもチャレンジしていければと思います」
10月3日(土)には待望の第二作、『警察庁最重要案件指定 靖國爆破を阻止せよ――』が発売に。小説に意欲的に取り組む八木さんが、これからどのような活躍を見せるのか、どうかお楽しみに!
(友清 哲+ノオト)
アリシー 編集部
アリシー編集部は、30代を目前に漠然とした不安を抱くも、なかなか一歩前に踏み出せない女性(=いもむし女子)に向けて、いつもの日常がちょっと豊かになるようなコンテンツを提案しています。きっと自分らしい生き方を見つけるきっかけになるかも。
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女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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