自己肯定感も高まる! 癒しだけじゃない「アニマルセラピー」の効果
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

自己肯定感も高まる! 癒しだけじゃない「アニマルセラピー」の効果

\動物はセラピスト以上!?/
例えば、ペットの犬と触れ合ったり。YouTubeで猫の動画を見たり。動物園の赤ちゃんパンダに会いに行ったり。こうした行動を通じて、「なんだか癒される」という方も多いはず。

では実際、動物たちにはどれほどの癒し効果があるのでしょうか? アニマルセラピーに詳しい心理カウンセラーの山口真央さんに、動物からもたらされる効果についてうかがいました。

■アニマルセラピーの定義は?

──アニマルセラピーって「動物と触れ合うことで癒しを得る」というイメージがありますが、その解釈で合っていますか?

「厳密な意味でのアニマルセラピー(動物介在療法)は、医療や心理療法の場面で専門家が入り、動物を介して治療を行うことを指します。

情緒的な安定や、レクリエーションなどを目的とした動物たちとの触れ合い活動は『動物介在活動』に該当するので、細かく分けると実は別物なんです。

おそらく世間では、動物と触れ合うことで癒される『活動』の部分と、専門家が治療として行う『療法』の部分を、足して2で割った感じが『アニマルセラピー』として認識されているのでしょうね。

でも正直、その捉え方でいいと思います。ほとんどの方にとっては、『動物たちからどんな心理的効果が得られるか』の方が重要でしょうから」

■動物のYouTubeを見るだけでも、「癒し」は得られる

──動物から得られる心理的効果とは、具体的にどのようなものでしょうか。

「動物たちと触れ合ったり見つめ合ったりすると、自分が受け入れられたような、肯定的な気持ちになります。そうすると、自分で自分を認めてあげる『自己効力感』が高まったり、何かを達成したような気持ちになったりするんですね」

──それはなぜですか?

「人間は可愛いものを愛でると母性が働き、“幸せホルモン”と呼ばれるオキシトシンが分泌されます。オキシトシンがバランス良く出ている時は、精神状態が安定するんです。

動物を撫でる時はもちろんですが、直接触れなくても『可愛い!』と思うことがありますよね。その気持ちが母性を刺激し、心の乱れを落ち着かせてくれるわけです」

──では、直接触れ合わなくても効果があるのですね。

「はい。例えば動物園に行って動物と目が合ったりとか、YouTubeの動画を見て『ああ可愛いな』と思ったりするだけでもOKです。また、生身の動物でなくても、ぬいぐるみからも癒しの効果は十分に得られます」

■癒しだけでなく、コミュニケーションスキルの向上にもつながる

──他にも何か、動物から得られる効果はありますか?

「動物を通じて自分が認められたような気持ちになることで、結果的に対人関係の潤滑油になることもあります。

例えば、子どもたちが犬や猫に向かって本の読み聞かせを行う『リーディングセラピー』。人前で緊張して話せなかった子や、学校の授業ではどんなに頑張っても教科書の朗読でどもってしまって読めなかった子が、動物相手だと、緊張せずにスラスラ話したり読んだりできるようになるんですよ。

動物たちとの圧迫感のないやりとりの中で、『話す時には緊張を解いてもいいんだ』と学ぶことで、やがて実際の人間関係にも反映されていきます」

──癒しだけでなく、コミュニケーションスキルの向上にもつながるんですね!

「そうなんです! 動物は言葉を発しない分、言葉以外の五感を使ってコミュニケーションを取ります。人間側も動物が相手だと、『この子の言っていることを知りたい、聞きたい、自分からも伝えたい』と思うので、その想いが言葉を超えていくわけですね」

■会話のない相手だからこそ、「沈黙の恐怖」を感じない

──言葉を使わないからこそ、通じ合えるものがあるということですね。

「はい。自分と動物との間でしか分からない、気持ちの交換みたいなものが、動物たちと関わる最大の利点だと思います。これは恐らく、人間同士のカウンセリングではできないことですね。

何も言わずに側にいてくれるのって、人間同士でも嬉しいと感じることがあると思いますが、逆にその沈黙が怖い時もありますよね。相手が黙っている本当の意味を考えてしまったりして。

──それ、すごくわかります。

「それが、動物相手になると、そもそも会話が成立しません。でも、温度感はすごく感じるので、『ただ側にいてくれた』ことで自分が受け入れられたような気持ちになり、それが肯定感につながるのだと思います。

癒し効果だけなら、返事のないぬいぐるみからも得られますが、『認めてくれた』『受け入れてくれた』と思えるのは、相手が生身の動物だからこそ。その分、一段上のセラピーだと言えますね」
一方的に見つめるだけでも、癒し効果をもたらしてくれる動物たち。それに加えて、会話のない非言語的なコミュニケーションを取ることで、よりポジティブな効果を得られることが分かりました。

疲れている時はもちろん、自分に自信がなくなった時や、人付き合いに悩んだ時などにも、動物たちと触れ合う時間を取ってみるといいかもしれませんね。

(谷村あすか+アリシー編集部)
谷村あすか
谷村あすか
東京と埼玉のはざまに住んでいる、フリーのライター・編集者。 趣味はTwitterで息子(5歳)や夫との日常を綴ること。最近ややツイ廃気味。 月1で少女漫画(別マ)を読むのをいちばんの楽しみにしている。
東京と埼玉のはざまに住んでいる、フリーのライター・編集者。 趣味はTwitterで息子(5歳)や夫との日常を綴ること。最近ややツイ廃気味。 月1で少女漫画(別マ)を読むのをいちばんの楽しみにしている。
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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