体は重くなるし、お腹も張ってしまう。便秘はダイエットの天敵と考えられてはいるものの、そのメカニズムについては意外と知らないもの。栄養士でインナービューティープランナーの鈴木教恵さんに、便秘と肥満の関係性や腸内環境を整える方法について聞きました。

──便秘と肥満の関係性について教えてください。

「腸内には、体に良い働きをする善玉菌と体に良くない影響を及ぼすとされる悪玉菌、そのどちらでもない日和見菌がバランスを取りながら生息しています。ところが、便秘によって排便が滞ると腸内に悪玉菌のエサとなる老廃物が増え、腸内細菌のバランスが乱れてしまうのです。

悪玉菌により排出された有害物質は、栄養素とともに血液に取り込まれ、体中を巡ります。すると、体はその有害物質を取り除くためにエネルギーを消費しまい、代謝が低下してしまうのです。このことから、便秘が続くと痩せにくい体質になり肥満に繋がると言われています」

──腸内環境を整えることがダイエットに繋がると考えられるのはなぜでしょうか。

「腸内の状態が良くなり、老廃物が便として排出されると、食品から摂取した栄養素をしっかり消化・吸収できるからです」

──栄養素がしっかり吸収されると、かえって太ってしまうようにも感じますが…。

「ところが、逆なんです。栄養素を無駄なく吸収できれば、代謝も上がります。つまり、脂肪が燃焼されやすい体へと変化するのです。このことから、腸内環境の改善はダイエットに有効であると考えられています」

──腸内環境のバランスを整える上で、鈴木さんがオススメする食品はありますか？

「おからパウダーです。成人女性の場合、1日当たりの食物繊維の目標量は18グラム以上と言われているものの、実際には5グラムほど不足しています。おからパウダーに含まれているのは、便のカサを増して腸のぜん動運動を促進させる不溶性食物繊維。大さじ3杯で不足分の食物繊維を補うことができます。また、おからパウダーには内臓脂肪を減らす働きをする大豆たんぱく質も含まれているため、ダイエットの観点からもオススメです」

──おからパウダー使い慣れていないと、どうやって摂取したらいいのか悩んでしまいそうです。

「おからパウダーにはほとんど味が付いていないため、味噌汁やサラダ、肉料理など何にでも合わせられます。一度に大量摂取するのではなく、1食につき大さじ1杯ずつ摂ることをオススメします」

──おからパウダーと一緒に摂るといい食品はありますか？

「ヨーグルト＋リンゴです。ヨーグルトに含まれる乳酸菌には整腸作用があり、食物繊維と合わせて摂取することにより相乗効果が得られます。リンゴにも食物繊維が含まれますが、オススメする理由はその歯ごたえにあります。しっかりと噛むことで消化・吸収を促すのはもちろん、満足度もアップ。食べ過ぎ防止にも繋がりますよ」

腸内環境のバランスが整っていることとダイエットは、やはり切っても切れない関係のよう。毎日の食事におからパウダーやヨーグルトなどを取り入れて、手軽に腸活を始めてみませんか。

（畑菜穂子＋アリシー編集部）