アリシーの3月特集は「想いを文字にしてみる」。3月11日の“コラムの日”にちなんで、人気作家やコラムニストなど様々な方々に“卒業”をテーマとしたコラムを依頼。フォロワー数13万人の愛妻家・5歳(嫁公認アカウント)さんにも寄稿いただきました。
「卒業の別れのさみしさとか不安って、あの頃しか味わえないんだよね」と嫁が言っていた。
言われてみればそういえばそうかもしれない。
学生の時って卒業という明確な終わりがあった。今まで一緒に過ごしてきた人達とあの人数のレベルで一気に別れる事って大人になるとなかなかない。
僕も高校の卒業式は今でもよく覚えている。東北の田舎にある高校を卒業して、「はぁ〜終わったな〜」って思いながら見上げた雪が降る空を今でも覚えている。学生時代が終わるって、決定的な何かの終わりなんですよね。あの時の寂しい気持ちを、今もありありと思い出す事ができる。
3月は、今までの生活からの別れの季節。モラトリアムな時間も終わりを告げて、そして恋も終わる。
恋の終わりも卒業と同時に訪れた気がする。恋愛って物理的な距離がなんだかんだ言って重要で、たとえば進学した学校が違うとか、就職先の会社が離れているとか、終わりの決定的な理由にはならないけども、卒業が「恋の終わりの始まり」でもある。理想とは違って現実の世界では、想いは距離を越えられなかったりもする。
でもその別れの切なさも、大人になって思い返すと甘くて苦い思い出だったりする。切ない気持ちでさえもsweet & bitterなメモリーなわけですよ。
あの《好きな気持ちで胸が締め付けられる感じ》って、若者の特権ですよね。羨ましいよ、マジで。最後に胸がキュンキュンしたのっていつだってけ? 遠い昔のような気がする。
胸が張り裂けるような恋がしたいです。(冗談です)
恋は夏に始まり、冬に深まり、春の訪れと共に終わる、というありがちなストーリーを僕も何度か経験したけど、3月はあらゆる意味において【卒業】の季節だと思います。
そういえば、僕も27歳の春に【卒業】した。
その年、夏に出会い付き合っていた彼女とは、例外なく冬に関係を深めて、そして赤ちゃんを授かった。僕たちの恋は、次の春には終わらなかったのです。
結婚を決めた事を両親に報告すると「あんたも年貢の納め時ね。」と母に言われた。
それまで僕は自分の人生をこれでもかと言うほどに謳歌してきた。なんとなく終わる事がないと思っていたモラトリアムからの卒業を、母親からのその一言で決めた。今までの人生の中で、あれほど明確な覚悟って多分他にした事がない。
「これからは自分のために生きるのではなくて、嫁と子供のために生きるのだ」とそう決意した僕は、それまではずっとバイト生活をしていたのですが、就職して人並みに働き始めました。楽しい事と自由に生きる事だけを考えてきた今までの人生とは違う決定的な転換期を迎えたわけです。
その頃、嫁は専門学校に通っていて、ちょうど卒業の年だったのですが、クラスメイトが就職する中、結婚と出産をする事になりました。
21歳の嫁は学校からの卒業と同時に、母親としての人生が始まったわけです。当時の嫁がどんな気持ちで卒業を迎えたのかはわかりませんが、不安の方が大きかったような気がします。
当時の事をどう思っていたのか嫁に聞いてみたら「いろんな事があり過ぎてよく覚えてない」と言っていたけど、彼女にとって卒業してからの1年は劇的な年だったと思う。
あれからもう8年が経ちます。
あの時、お腹の中にいた赤ちゃんはもう小学校に入学しました。次男は来年、保育園を卒園します。僕はどういった流れでこうなったのかはわかりませんが、こうやってライターをやっていたりします。
あの春に僕らは今までの人生から卒業をして、新しい人生へと踏み出した。
新しい人生は、いつだって【卒業】から始まるんだと僕は思う。
(5歳+アリシー編集部)
言われてみればそういえばそうかもしれない。
学生の時って卒業という明確な終わりがあった。今まで一緒に過ごしてきた人達とあの人数のレベルで一気に別れる事って大人になるとなかなかない。
僕も高校の卒業式は今でもよく覚えている。東北の田舎にある高校を卒業して、「はぁ〜終わったな〜」って思いながら見上げた雪が降る空を今でも覚えている。学生時代が終わるって、決定的な何かの終わりなんですよね。あの時の寂しい気持ちを、今もありありと思い出す事ができる。
3月は、今までの生活からの別れの季節。モラトリアムな時間も終わりを告げて、そして恋も終わる。
恋の終わりも卒業と同時に訪れた気がする。恋愛って物理的な距離がなんだかんだ言って重要で、たとえば進学した学校が違うとか、就職先の会社が離れているとか、終わりの決定的な理由にはならないけども、卒業が「恋の終わりの始まり」でもある。理想とは違って現実の世界では、想いは距離を越えられなかったりもする。
でもその別れの切なさも、大人になって思い返すと甘くて苦い思い出だったりする。切ない気持ちでさえもsweet & bitterなメモリーなわけですよ。
あの《好きな気持ちで胸が締め付けられる感じ》って、若者の特権ですよね。羨ましいよ、マジで。最後に胸がキュンキュンしたのっていつだってけ? 遠い昔のような気がする。
胸が張り裂けるような恋がしたいです。(冗談です)
恋は夏に始まり、冬に深まり、春の訪れと共に終わる、というありがちなストーリーを僕も何度か経験したけど、3月はあらゆる意味において【卒業】の季節だと思います。
そういえば、僕も27歳の春に【卒業】した。
その年、夏に出会い付き合っていた彼女とは、例外なく冬に関係を深めて、そして赤ちゃんを授かった。僕たちの恋は、次の春には終わらなかったのです。
結婚を決めた事を両親に報告すると「あんたも年貢の納め時ね。」と母に言われた。
それまで僕は自分の人生をこれでもかと言うほどに謳歌してきた。なんとなく終わる事がないと思っていたモラトリアムからの卒業を、母親からのその一言で決めた。今までの人生の中で、あれほど明確な覚悟って多分他にした事がない。
「これからは自分のために生きるのではなくて、嫁と子供のために生きるのだ」とそう決意した僕は、それまではずっとバイト生活をしていたのですが、就職して人並みに働き始めました。楽しい事と自由に生きる事だけを考えてきた今までの人生とは違う決定的な転換期を迎えたわけです。
その頃、嫁は専門学校に通っていて、ちょうど卒業の年だったのですが、クラスメイトが就職する中、結婚と出産をする事になりました。
21歳の嫁は学校からの卒業と同時に、母親としての人生が始まったわけです。当時の嫁がどんな気持ちで卒業を迎えたのかはわかりませんが、不安の方が大きかったような気がします。
当時の事をどう思っていたのか嫁に聞いてみたら「いろんな事があり過ぎてよく覚えてない」と言っていたけど、彼女にとって卒業してからの1年は劇的な年だったと思う。
あれからもう8年が経ちます。
あの時、お腹の中にいた赤ちゃんはもう小学校に入学しました。次男は来年、保育園を卒園します。僕はどういった流れでこうなったのかはわかりませんが、こうやってライターをやっていたりします。
あの春に僕らは今までの人生から卒業をして、新しい人生へと踏み出した。
新しい人生は、いつだって【卒業】から始まるんだと僕は思う。
(5歳+アリシー編集部)
5歳(嫁公認アカウント)
こんにちは5歳(嫁公認アカウント)です。Twitterで嫁との生活についてツイートしていたら「お嫁さんの恐ろしい所と、甘えん坊な所のギャップが可愛い!」と話題になり、ついにフォロワー数12万人を突破しました。
ツイートが原作となった漫画も発売され、今Twitterで一番乗りに乗っているアカウントです。
主に嫁と2人の愛すべき息子達について呟いたり、時々コラムを書いたりしています。
こんにちは5歳(嫁公認アカウント)です。Twitterで嫁との生活についてツイートしていたら「お嫁さんの恐ろしい所と、甘えん坊な所のギャップが可愛い!」と話題になり、ついにフォロワー数12万人を突破しました。
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女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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