片頭痛、肌あれ、生理不順…。不調は自律神経の乱れが原因だった!
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

片頭痛、肌あれ、生理不順…。不調は自律神経の乱れが原因だった!

第11回 知っておきたい病気・健康のはなし
変化やストレスは不調のもと!
片頭痛、生理不順、肌あれ、不眠……女性のちょっとした不調。実は自律神経の乱れが原因なのだとか! 一体、自律神経って何? なんで乱れるの!? 自分で整えることはできる!?

そこで、婦人科医の松村圭子先生に、自律神経の整え方を教えてもらいました。
<松村圭子(まつむら・けいこ)さんのプロフィール>
婦人科医。「成城松村クリニック」院長。若い世代の月経トラブルから更年期障害まで、「女性の一生」をトータルでサポートする診療をモットーにしている。テレビや雑誌など幅広いメディアで活躍中で、『医者が教える女性のための最強の食事術』、『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』など著作も多数。

■体の様々な機能を調整しているのが“自律神経”

——そもそも自律神経とはどんな神経のことですか?

「自律神経は、消化器、呼吸器、血管、体温だとか、自分の意思ではコントロールできないものを、ちょうどいい状態に調整するために、24時間働き続けている神経です。例えば、暑いところにいたら体温を下げるために汗をかいたり、と自分が快適にいられるように保ちます。

また、自律神経には、緊張しているときや日中に活発になる“交感神経”と、リラックスしているときや夕方から夜に活発になる“副交感神経”があります。この2つがうまくバランスを取りながら働いているおかげで健康は保たれていますが、このバランスが崩れると心身に支障をきたします。これが“自律神経の乱れた状態“です」

——なるほど。自律神経が乱れたら体の不調が多くなるんですか?

「そうですね。ちょうどいい状態を保っていた体のバランスが崩れて、いろんな働きの調整ができなくなるので、不調につながります。全身のだるさ、頭痛、肩こり、めまい、不眠、生理不順、肌あれなど、さまざまな症状が見られます。これらの症状は人によって異なるのですが、吐き気や多汗、手足のしびれ、動悸、不整脈などの症状が現れる人もいますよ」

■“変化”があると、不調が起こりやすい!

——なぜ自律神経が乱れるのですか?

「自律神経は“変化”にとっても弱いんです。なので、季節の変わり目などの寒暖差が激しいシーズンは、暑さと寒さに対応するために神経が疲れちゃうんですよね。同じ夏でも、冷房がすごくきいた室内から暑い外に出たりすることをくり返していても乱れます。

また、人間関係の悩みや仕事でのプレッシャーによる精神的なストレスでも、自律神経は乱れます。“5月病”と言われている不調も、環境の変化によって起こるものなんです。4月中は、環境が変化したばかりでも、緊張感でまだ不調に気づいてないのですが、5月に入って、環境に慣れてきたときに、“あれ、体がなんかおかしい……”と不調を自覚するんですよね。でも自覚が早い人は、4月中に不調に気づくこともあります。

他にも、過労による肉体疲労、昼夜が逆転したような不規則な生活なども、自律神経の乱れの原因になります。

自律神経のコントロールタワーは脳の視床下部にあって、女性ホルモンのコントロールタワーと同じ場所にあるんです。そのため、お互いに影響を及ぼしやすく、どっちかが崩れると、もう1つも崩れやすくなります。

なので、生理周期によって女性ホルモンも変動するので自律神経も乱れやすくなりますし、ストレスなどで自律神経が乱れると生理不順にもつながります。男性よりも女性のほうが、不調が多いのもこのためです」

■自分の“元気が出ること”を見つけよう

——自律神経を整える方法ってあるのですか?

「年中乱れやすい原因といえば、やはりストレスなので、一番簡単なことは、ストレスの元から逃げることです。でも、それは難しいことも多いですよね。なので、ほかで発散する術を見つけるといいと思います。

発散する術は、“心を落ち着けられる”ものであることが大事です。英会話教室に行く、散歩をする、スポーツをすることでもいいですし、家に引きこもって映画を観ることでもいい。『私はこれがあれば元気が出る!』というものを見つけてください。

私も、かつて苦手だった料理が趣味になって、打ち込めるようになってからは、心をリセットできるようになりました。無心になって打ち込めることがあると、毎日が楽しくなるんですよね。不要不急なつき合いにも参加しなくなりますし、そうすると人間関係も厳選されていって、ストレスも減ります。ほかには、晩酌や愛犬の散歩も、私のリフレッシュ&リセット方法になっていますね。

あとは、睡眠を大事にすること! 1日の約3分の1を占める睡眠で、心と体もリセットされるのに、その質が悪いと、自律神経が乱れるのも当然です。

質のいい睡眠をとるためには、寝る時間の1時間半前までにはお風呂に入り、湯船に浸かって、体をオフ状態にしてください。38度から40度くらいのお湯に20分くらい浸かれば、リラックスできると思います。お風呂で体温を上げれば、時間が経つにつれて自然に体温が下がると同時に眠気もやってきますよ。

ちなみに、お風呂にスマホは持ち込まないこと。ブルーライトで頭が冴えてしまい、また見る内容次第ではストレスを抱えてしまうからです。ベッドの上で寝る直前までスマホを触るのは最悪です。お風呂に入ってから寝るまでは、なるべくスマホを触らないようにしましょう。

睡眠時間は、個人差もありますが、90分の倍数がいいとされているので、6時間、もしくは7.5時間は寝たほうがよいでしょう。また、平日にあまり睡眠時間が取れないからといって、週末に寝だめするのはダメ。睡眠リズムが崩れて、時差ボケがひどくなると思ってください」
——食事でも自律神経を整えるのに効果的なものってあるんですか?

「ストレスが大敵なので、幸せホルモンとも言われている『セロトニン』という神経伝達物質を作ることが大切です。『セロトニン』は脳内で作られるのですが、その材料として、『トリプトファン』という必須アミノ酸が必要です。

トリプトファンが多く含まれている食材は、主に、豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品など。セロトニンを作るには、ビタミンB6や鉄分も必要です。炭水化物も朝は必ず摂るようにしましょう。炭水化物によって、体内時計がリセットされるので。さらに、たんぱく質も一緒に摂ることでリセット作用が強くなります」

——最後にアリシー読者にメッセージをお願いします!

「ふだんから交感神経ばかりが働きすぎている人は、意識的にリラックスするなど、副交感神経を優位にさせる時間を持つことが必要です。体の緊張状態が続いていると、呼吸が浅くなっているので、呼吸を深くしてみて。思い切り息を吸って、吸うときの2倍の時間をかけてゆっくり吐く。これだけでも心が落ち着きます。

また、デスクワークが続いたりする場合は、1時間に1回パソコン作業をやめて、ひと息入れることが大事。その休憩中に、背伸びをしたり、屈伸をしたりなどの簡単なストレッチをすると、体の血流も良くなるので心も体もうまくリフレッシュできます。

1日最低1回は意識的にリフレッシュして、体のいい状態をキープしてください」
自律神経を整えることは、女性の様々な不調の防止につながります。健康体をキープするために、適度なリフレッシュを忘れないように心がけたいですね。

(宮平なつき+アリシー編集部)
なつき
なつき
フリーライター。美容、健康、ダイエット、料理、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や、著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。
フリーライター。美容、健康、ダイエット、料理、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や、著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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