「あれ、僕だけ? みんな食べないんですか? 一緒に食べましょうよ」
スタッフが持ってきた差し入れのプリンを手に、5歳さんが笑う――少しばかり緊張していた場がふっと緩むのが感じられた瞬間でした。
奥さまとの生活をつづったツイートが話題になり、Twitterのフォロワーは13万人越え、アリシーでの嫁レシピ連載『5歳めし』も好評の5歳さん。最近ではオンラインサロンにも精力的で、定期的にオフ会を開くなど、ネットからリアルへ活動の場を広げています。ネットとリアル双方で、多くのファンとの交流を図っている5歳さんに、サロンを通してのリアルなコミュニケーション作り、そしてリアルなコミュニティの最たるものである家族とのつながりについて、アリシー編集長の藤田佳奈美がお聞きしました。
■サロンは自分のパワーをみんなに還元する場所
藤田:サロンではオンラインだけではなく、オフラインでのつながりも大切にされているように見受けられるのですが、どのようなコミュニティにしたいとお考えですか?
5歳さん(以下5歳):僕のことを好きだとか、僕に対して憧れて入ってくれる人が多いと思うんですけど、僕は自分のことを普通だって思っているし、実際フタを開けてみると僕なんかよりおもしろい人がたくさんいる。僕のほうが吸収することも多いんですよね。
だから実際はみんなのほうがもっとすごいよね、っていうのに気がつかせてあげたいなって思っています。
僕自身は「これから大きな仕事をたくさんやって稼ぐぞ」とはあんまり考えてないんですよね。僕が知っているノウハウとか、教えられるものは教えてあげたいし、若い人たちが活躍してくれれば。それを見届けたいっていうのはすごくありますね。
藤田:5歳さんがお持ちのパワーをご自身に使うのではなく、別の人に還元していく、という感じでしょうか。
5歳:そうですね。RTして記事のPV数をアップさせるなど、僕のフォロワー数のパワーって他の人に使うべきだと思っています。おもしろいものを紹介したいっていう気持ちが強いですね。
相手の魅力を知ると、「この人のことを応援したい」って思うようになる。みんなでシェアし合って応援組を作りやすくなるのがサロンなのかなと思っています。
藤田:ご自分が持っている資産を分け隔てなく共有するスタンスって、結果的に長い目で見たら全員がハッピーだし、自分も高みに行けるっていうのはあるんですけど、やっぱり目先のことを考えてしまって、資産を分け与えられない人って多いと思うんです。そこを躊躇なくできるのがすごいですよね。
5歳:全部結果論なんですけど、「人を喜ばすことを考えていたらまず間違いない」というか。自分にとってもそれが一番楽しいんですよね。
■「その場にいる人を笑わせたい」リアルなコミュニケーション術
藤田:5歳さんはファンサービスがすごいですよね。たくさんフォロワーがいて、たくさんの反応があるのに、それにかなりのスピードで返していらっしゃる。
Twitterというオンライン上でファンが多いのはそういうところが魅力だったりもするのかなと思うんですけど、一方でオフラインではどのようなことを心がけているんですか? リアルで人と接するときのコミュニケーション術があれば教えていただきたいです。
5歳:リプを全部返すのはサービスとは思ってなくて、おもしろいことを言ってくる人に返しているだけなんですよね。
普段、僕はツッコミどころを残しながらツイートしているんですけど、それに優秀なフォロワーさんがつっこんでくれたら、思わず返信したくなっちゃいます。「気付いてくれてありがとね」って。
それはリアルでも同じで、僕はいつも驚かしてやろう、笑わせてやろうと思っているんですよね。
「世界をちょっとだけ笑わせる」ことが僕のテーマ。オフラインでは、もっとウケを狙いたいなと思っていますね。
■もっとみんな自由に生きればいい
藤田:リアルなコミュニティの最たるものとして、「家族」があると思うんですけど、今って生き方が多様化していますよね。結婚する、しない、ひとりで生きてく……そんな選択肢がある中で、「結婚する理由」はなんだと思いますか?
5歳:僕は結婚したのは本当にたまたまなんですよ。
子どもを授かったという理由で2人が繋がって、今は家族をやらせてもらっていますけど、結婚ってタイミングだと思うから、「結婚するぞ!」ってするもんじゃない。
藤田:きっかけは自分で作るんじゃなくて、自然発生みたいなもの?
5歳:結婚したいなと思った瞬間に結婚すればいいんじゃないかなと思いますけどね。
みんな自由に生きて欲しい。自由に楽しんでいいんじゃないかな。
そうやって生きている中で一緒にいて楽しいと思う人がいたら、結婚すればいいんですよ。
結婚って本来幸せなものだけど、「結婚」という言葉が自分を苦しめている原因のひとつになっている場合もあると思うから。
■「結婚は育てていくもの」
藤田:夫婦円満のために努力していること、気をつけていることって奥さまも5歳さんもあると思うんですが、具体的に教えていただけますか。
5歳:嫁のことはとにかく構いますね。かわいがればどんどんかわいくなると思う。
藤田:確かに、それは女の人の本質をついている気がします! 5歳さんが言うとかなり説得力があるでしょうし、男性サイドにどんどん広めて欲しい(笑)。
5歳:あとはよく話すことかな。女性って話すとストレス解消になるから。話聞いてあげるのは意識的にやる必要はありますね。家でTwitterいじりすぎていると「私がいるのに」って機嫌が悪くなっちゃうから気をつけています。
藤田:ちゃんと配慮されているってところが女性のツボをついていますね。
5歳:「心広いですね」って言われるけど、最初からこうだったわけじゃないんですよね。みんなはじめから完成品を求めているよね。結婚したときは、お互い孵化したてみたいなヒヨコ。それをどう育てていくか、みたいなところがあるじゃないですか。ある意味何色にでも染まる状態。かわいがったらかわいくなりますし、冷たくしたら見向きもしてくれなくなると思いますし。
僕と結婚したいって言ってくれる人がいるけど、結婚って滝打ち修行をやっているようなものだったから。修行をやると仏の道に進むようになるよね。ささいなことでも心が波立たなくなったし、怒らなくなった。
藤田:奥さんに対する期待をやめたとか、何かを諦めたとかあるんですか?
5歳:嫁に言うと怒られますけど、期待してないですよ。とにかく生きてくれていればいいって思っている。期待するとやっぱり裏切られるし、期待しなければ相手のプレッシャーにもならないから。
ときどき気まぐれで「やればできるんだから、私にも期待してよ」って言われますけどね。
藤田:基本的に奥さまは5歳さんに構ってほしいんですね。
5歳:でしょうね。かわいいんですよ。最高にかわいいんです。
藤田:萌える! 奥さんがかわいすぎるし、5歳さんが女心をわかりすぎていて、本当に応援したくなるご夫婦! 5歳さんが人を応援したくなるお気持ち、ちょっとわかったかも。お互いがお互いの魅力を知って、お互いに応援していけば、業界ごと盛り上がりそうですよね。結婚も同じ。ひとりでやれることには限界があると思うので、5歳さんのスタンス見習っていきたいと思います。
(ふくだりょうこ+アリシー編集部)