過剰摂取は要注意!? ビタミンBの種類と効果について栄養士に聞いてみた
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

過剰摂取は要注意!? ビタミンBの種類と効果について栄養士に聞いてみた

第2回 タメになる情報
摂りすぎも摂らなすぎもダメ!
美容や健康に必要な成分がたくさん含まれていることで有名なビタミンB群。ハードワークで疲れた時や、外食が続いて栄養のバランスが崩れていると感じる時に心強い味方となる栄養素です。しかし、過剰摂取してしまうと悪影響が出ることもあり、注意が必要なんだとか。

株式会社Luce代表・管理栄養士の望月理恵子さんに詳しいお話を伺いました。

■ビタミンB群の種類と働き

●B1
皮膚や粘膜の健康維持を補助し、乳酸の代謝や神経機能を正常に保つ働きがある。細胞内での糖質代謝に関わる酵素の働きを補う酵素として、活動に必要なエネルギー産生を行う。アルコール分解作用や抗神経炎作用も。不足すると、脚気や末梢神経、中枢神経、心臓などの疾患に繋がりやすくなる。

●B2
糖質、タンパク質、脂質の代謝時に使われる酵素の補酵素としての役割を担う。皮膚や髪、粘膜、爪などの細胞再生や、細胞を傷付け老化の進行を促す一要因と言われている過酸化脂質を分解、除去する働きも。不足すると、口内炎、舌炎、皮膚炎等皮膚や粘膜に異常が生じやすく、成長障害等に深刻な状態に陥る危険性がある。

●B6
水溶性で、食品中のタンパク質からエネルギーを産出する。筋肉、血液、抗体などの材料になるタンパク質の合成や、アミノ酸の合成を促進する働きがある。不足すると、皮膚炎、口内炎、貧血等が起こることも。

●B12
全身の細胞の代謝を助けるとともに、葉酸と協力して赤血球の形成や再生をサポートして悪性貧血の予防や神経細胞の正常な働きを促す。不足すると、めまい、疲労感、筋力低下、悪性貧血などが起こることがある。

●葉酸
細胞やタンパク質を作る時に必要なDNAなどの核酸を合成する役割を担う。赤血球の細胞形成を補助し、細胞分裂が活発な胎児の正常な発育に役立つ。動脈硬化予防にも効果が期待され、不足すると、悪性貧血が起こることがある。

●ナイアシン
ナイアシンは、ニコチン酸とニコチンアミドの総称。タンパク質、糖質、脂質から細胞でエネルギーを産生する時に働く酵素を助ける役割を担う。また、皮膚や粘膜が正常に維持されるように助ける働きも。血流を良くするため、冷え症や頭痛の改善、二日酔い予防にも効果的と言われる。不足すると、ペラグラという欠乏症が生じることがある。

●パントテン酸
タンパク質、糖質、脂質の代謝とエネルギーの産生に必要不可欠である酵素を助ける役割を担う。コレステロール、免疫抗体などの合成にも関与していて、ストレスへの適応を助ける働きも。不足すると、頭痛や疲労感、免疫低下、成長障害などが生じることがある。

●ビオチン
体内酵素を活性化し、タンパク質、糖質、脂質の材料である脂肪酸、アミノ酸等の合成やエネルギー産生などを補助する働きがある。また、皮膚炎や抜け毛、白髪を予防する効果が期待できる。不足すると、肌荒れや舌炎、結膜炎などが起こることも。

■過剰摂取注意のビタミンBとは?

さきほど紹介した8種のうち、 B6、葉酸、ナイアシンは、 過剰摂取に注意が必要とのこと。

──具体的に過剰摂取すると身体にどのような影響があるのか教えてください。

「B6は、手足のしびれや痛み、神経障害、腎臓結石を引き起こす可能性があります。葉酸は、発熱、じんましん、呼吸障害などが生じることも。ナイアシンは、かゆみやヒリヒリする感じなどの皮膚の炎症や、顔の赤み、ほてり、消化不良などの消化器系障害や肝臓障害などの影響を与えることがあります。これらのビタミンは、過剰摂取の心配から、厚生労働省が定めている摂取量に上限量が設定されています」

■ビタミンBが欠乏するとどうなるの?

──それでは過剰摂取と反対に、ビタミンB群が欠乏するとどうなってしまうのでしょうか?

「ビタミンB群は、代謝のビタミンと言われ、エネルギーの産生に必要不可欠です。そのため欠乏すると、疲労感が抜けない、寝ても疲れが取れない、集中力が継続できない、肩こりが治らない、口内炎ができる、下肢のしびれを感じる、風邪をひきやすくなるなどの可能性があります」

■どんな食材に含まれているの? 目安摂取量は?

「ビタミンB群は、肉類、魚介類、野菜、未精製の穀物などに豊富に含まれています。18歳から29歳(女性)のビタミンBの一日の摂取目安量は以下の通りです」

●ビタミンB1→1.1mg
●ビタミンB2→1.2mg
●ビタミンB6→1.2mg
●ビタミンB12→240μg

必要量は普段の食べ物でほぼ補うことができます。特にビタミンB6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチンは少量ではありますが 腸内細菌で合成できます。

気を付けたいのは、野菜だけですべてのビタミンB群が摂取できるわけではない、ということ。必ずビタミンB12を含む動物性の食品を合わせましょう。牛・豚・鶏などの肉類では、特にレバーや小腸に多く含まれているので、ホルモンと野菜の炒めものなどがおすすめ。他にもシジミやアサリ、サンマやサバなど魚介類からも摂取できます。

大量に必要な栄養素ではありませんが、多忙な毎日やストレス、ダイエットや妊娠など生活習慣や体調の変化で不足してしまうこともあるビタミンB群。バランスの良い食事を基本として、適度に補うことを心がけましょう。

(やまかわきよえ+ノオト)
やまかわきよえ
やまかわきよえ
1982年生まれ、静岡県出身の元プログラマー。現在3児の子を持つ、新米ライター。人見知りをほとんどせず、新しい世界へ飛び込んで行くことが大好き。迷い込みたい新しい世界へも飛び込んで行きたい!
1982年生まれ、静岡県出身の元プログラマー。現在3児の子を持つ、新米ライター。人見知りをほとんどせず、新しい世界へ飛び込んで行くことが大好き。迷い込みたい新しい世界へも飛び込んで行きたい!
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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