「体臭を嗅ぐと相性の良い異性がわかる」という話を聞いたことがありますか? これは単なる噂ではなく、HLAという遺伝子が関係し、科学的に証明されていることなんだそう。HLAの働きや体臭との関係などを、東北大学大学院生命科学研究科の山元大輔教授に伺いました。
■そもそもHLAって?
──HLAとはそもそも、どのような働きをする遺伝子なのでしょうか?
「HLA(Human Leukocyte Antigen)は、細菌の感染から身体を守る働きをする遺伝子です。体内にさまざまなタイプのHLAを持っていればいるほど、いろいろな異物に対応できます。そのため、男女間では生まれてくる子どもの免疫力を高めようと、HLA型の異なる相手に惹かれやすいのです」
──HLAと体臭は、どのような関係があるのですか?
「HLAは外部から侵入してきたいろいろな異物の断片であるタンパク質のカケラとくっつく性質があり、このカケラがニオイのもとになっているようです。ただし、我々はこのニオイを自覚できず、無臭の状態にあります。この無臭の分泌物が、いわゆる『フェロモン』と呼ばれるものです。
無臭なのになぜ感知できるかというと、脳が反応しているためです。本能中枢の視床下部という部分で、生理的に『なんとなく好き』『よくわからないけど嫌だ』などという気分を生み出し、フェロモンを感じていることを自覚せず、相手の好き嫌いを判別しているのです」
「HLA(Human Leukocyte Antigen)は、細菌の感染から身体を守る働きをする遺伝子です。体内にさまざまなタイプのHLAを持っていればいるほど、いろいろな異物に対応できます。そのため、男女間では生まれてくる子どもの免疫力を高めようと、HLA型の異なる相手に惹かれやすいのです」
──HLAと体臭は、どのような関係があるのですか?
「HLAは外部から侵入してきたいろいろな異物の断片であるタンパク質のカケラとくっつく性質があり、このカケラがニオイのもとになっているようです。ただし、我々はこのニオイを自覚できず、無臭の状態にあります。この無臭の分泌物が、いわゆる『フェロモン』と呼ばれるものです。
無臭なのになぜ感知できるかというと、脳が反応しているためです。本能中枢の視床下部という部分で、生理的に『なんとなく好き』『よくわからないけど嫌だ』などという気分を生み出し、フェロモンを感じていることを自覚せず、相手の好き嫌いを判別しているのです」
■思春期の微妙な父子関係にも影響!?
──思春期の女の子が父親のニオイに嫌悪感を抱きがちなのも、HLAの影響ですか?
「父親のHLAが関係するかどうかは両論あり、はっきりとは言えません。娘はむしろ父親のニオイに好感を持つという論文もありますが、父親は自分と遺伝子を2分の1共有している人間です。一般的にはHLA型の異なる相手に惹かれることからすれば、父親のニオイを嫌うこともあるでしょう」
──「体臭を嗅げば相性の良い人がわかる」は、すべての人に当てはまるのでしょうか?
「個人差はありますが、多くの人に当てはまる一般的な現象だと思います。ただ、これまでの両性を対象とした研究はマウスのオス・メスを用いたもののみで、人間では女性対象の研究しか行われておらず、現在のところ男女差は不明です」
「父親のHLAが関係するかどうかは両論あり、はっきりとは言えません。娘はむしろ父親のニオイに好感を持つという論文もありますが、父親は自分と遺伝子を2分の1共有している人間です。一般的にはHLA型の異なる相手に惹かれることからすれば、父親のニオイを嫌うこともあるでしょう」
──「体臭を嗅げば相性の良い人がわかる」は、すべての人に当てはまるのでしょうか?
「個人差はありますが、多くの人に当てはまる一般的な現象だと思います。ただ、これまでの両性を対象とした研究はマウスのオス・メスを用いたもののみで、人間では女性対象の研究しか行われておらず、現在のところ男女差は不明です」
■タバコや香水のニオイは邪魔にならないの!?
──相手の体臭は、身体のどの部分から確認すると良いのでしょうか?
「汗など、身体の分泌物から漂いますが、これには既にお話したように、自覚できるニオイはありません。意識して相手の身体のニオイを嗅ごうとしなくても、一緒にいるだけで漂ってくるものを自然と感じ取れるでしょう」
──香水、タバコ、柔軟剤の香りなど、他の人工的なニオイがあっても、相性の良い体臭はわかるのでしょうか?
「他のニオイよりも感度は高いと思われます。先ほどもお伝えした通り、HLAによって感知するフェロモンは脳が無自覚に、生理的に感じ取っているものです。これは人工的なニオイを自覚的に感知するよりも鋭い感度を持っているのです」
自分の自然な感覚に素直に従えば、遺伝子的に相性ぴったりな人と巡り会えるかもしれません。パートナー探しには顔や性格など、普段気になるいろいろな条件だけでなく、『この人、なんとなく好き!』という直感も大事にしてみては?
(五十嵐綾子+ノオト)
「汗など、身体の分泌物から漂いますが、これには既にお話したように、自覚できるニオイはありません。意識して相手の身体のニオイを嗅ごうとしなくても、一緒にいるだけで漂ってくるものを自然と感じ取れるでしょう」
──香水、タバコ、柔軟剤の香りなど、他の人工的なニオイがあっても、相性の良い体臭はわかるのでしょうか?
「他のニオイよりも感度は高いと思われます。先ほどもお伝えした通り、HLAによって感知するフェロモンは脳が無自覚に、生理的に感じ取っているものです。これは人工的なニオイを自覚的に感知するよりも鋭い感度を持っているのです」
自分の自然な感覚に素直に従えば、遺伝子的に相性ぴったりな人と巡り会えるかもしれません。パートナー探しには顔や性格など、普段気になるいろいろな条件だけでなく、『この人、なんとなく好き!』という直感も大事にしてみては?
(五十嵐綾子+ノオト)
五十嵐綾子
ALICEY世代ど真ん中のフリーランスライター・編集者。史学科出身&世界遺産検定1級の世界史系歴女でもあります。知らない世界に飛び込むことや新たな発見をすることが大好きなので、読者の皆さまの世界が広がる記事をお届けします!
※背景画像撮影:中里健太(@LENS_BLOG_)
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女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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