女性が積極的に摂り入れるべきスーパーフードと話題になったチアシード。「体に良さそう」「美容に効果がありそう」と思っていながらも、どのように摂り入れればいいのかわからずに、試していない人も多いのではないでしょうか？　

本当に健康にいいの？　どんな味がするの？　どう料理したらいいの？　そんなチアシードに対する疑問を、管理栄養士の柴田真希先生に聞いてきました！　「知識ゼロからのスーパーフード」（幻冬舎）など著書も多数出版されている柴田先生。スーパーフード・チアシードの栄養素や効果効能、日常での摂り入れ方を教えていただきます！

――チアシードって、どのような食べ物なのですか？

チアシードは、メキシコ原産のシソ科の植物の種子です。「チア」はマヤ語で「力」を意味し、「古代アステカの知恵と力の種」として親しまれる、南米ではポピュラーなスーパーフードのひとつです。

――結構流行りましたよね。それは理由があるのですか？

チアシードの特徴は、水に浸けると種のまわりがジェル状に膨らみ、かさが約10倍にもなります。このジェル状の正体は食物繊維です。そのため、チアシードを食べることでお腹がふくれて食べ過ぎを防いだり、便秘解消の効果が期待できます。また、ドリンクやスムージー、ヨーグルトに入れて飲んだり食べたりと、簡単に摂り入れることができるのも人気の理由です。

――気になる栄養素は、どのようなものが含まれているのでしょうか？

チアシードに豊富に含まれる栄養素はどれも女性にとって不足しがち、もしくは、積極的に摂ってもらいたい栄養素ばかりです！

まず、グルコマンナンという水溶性食物繊維が豊富に含まれており、チアシード大さじ１杯で約3ｇの食物繊維を摂取することができます。

本来、20代女性は食物繊維1日で18g摂り入れるのが好ましいのですが、実際には12ｇほどしか摂取できていない人がほとんどで、目標の18ｇに6ｇも足りていません。そこで、チアシード大さじ2杯を普段の食事にプラスすることでカバーすることができ、さらにその他の摂りたい栄養素も取れ、まさに一石二鳥の効果を得られます。

他に不足しがちな栄養素では、カルシウムやマグネシウムのようなミネラルを豊富に含んでいます。カルシウムと聞くと骨の強化をイメージしますが、大切なのは吸収率で、カルシウム：マグネシウム＝2：1の割合が理想的とされています。チアシードはこのバランスが良いことも特徴的です。

また、アレルギーの発生を抑えたり、コレステロール値を下げたり、脳を活性化させる効果を期待できるα‐リノレン酸も含まれています。えごま油や亜麻仁油で注目されているα-リノレン酸ですが、豊富に含まれるオイルを摂るよりも、エネルギー（カロリー）が低いことが魅力です。

その他、不足すると免疫力の低下や味覚障害を引き起こす可能性のある亜鉛や、貧血の予防につながる鉄も豊富に含まれており、女性の体に嬉しい栄養素が豊富に含まれているスーパーフードと言えます！

――豊富な栄養素を含むチアシード、素晴らしい食材ですね。ちなみに、気になったのですがチアシードはどのような味がするのですか？

チアシードは無味無臭で、プチプチした食感が特徴です。味や香りがないので、どんな料理にでも合わせることができます。

食べ方もとても簡単。チアシードを水に入れて軽くかき混ぜ10分ほどするとジェル状になります。しっかりと戻すことで吸収率が高まると言われています。α‐リノレン酸が熱に弱いので、なるべく短時間で加熱をするように心がけましょう。

――どんなものにも合わせられるってすごいですね。その中でも、どのようなものに合わせるとのがおすすめですか？

戻したチアシードをスムージーやドリンク、ヨーグルトに混ぜたり、シリアルにトッピングしたりするだけでOKです。フレッシュフルーツを潰して、戻したチアシードと混ぜれば、フルーツの水分をチアシードが吸収して、加熱しないでもフレッシュなジャムができます。こうすることで、チアシードの栄養素をより効率的に摂ることができます。他には、水で軽く戻したチアシードにドレッシングやポン酢を混ぜて調味料として使うのもおすすめです。ただし、水分が多くなると腐敗の原因になるので、戻したチアシードは1日くらいで使うのがおすすめです。

毎日の食事に摂り入れて習慣化し、継続できるといいですね！

豊富な栄養素を摂り入れることができるスーパーフード・チアシード。柴田先生のお話を聞いていると、思っていたよりも簡単に普段の食事に加えることができそう。無味無臭なので、色々な料理と合わせることができるのは魅力的ですね！　

いつもの食事にちょっとプラス。気軽にチアシードを始めてみてはいかが？

（岡野とら子＋どてらい堂）