爪を定期的に切ったり磨いたりしていると、「表面がボコボコしてきたな」「縦に線が入ってきたかな？」などといった小さな変化に気付くことがありますよね。そうした変化が、健康状態を現していることがあるのをご存じでしょうか。

爪は、「皮膚付属器」といういわば皮膚の一部なのです。爪が作られているのは、爪の根元にある白っぽい半月状の部分（爪半月）を含む一帯「爪母」なのだとか。この部分には毛細血管が集中しており、全身の血行の状態が爪の生成に影響を与えると言われています。

「爪の状態が変化する＝病気」という図式が常に成り立つわけではありませんが、健康状態の変化が爪に現れることは実際にあるようです。健康管理のご参考までに、爪に現れる変化と健康状態の関連について例をいくつかご紹介していきたいと思います。

では、具体的にどのような変化が爪に見られたら要注意なのでしょうか？以下にご紹介していきましょう。

【爪に現れる健康状態の変化】
＜縦方向の溝＞
爪に縦に溝のような凹凸ができたという経験は、多くの人に馴染みがあるものでしょう。この症状の主な原因は、加齢によるものだと言われています。多くは30代に差し掛かる頃、爪の水分が不足して乾燥したり胃腸の機能が衰えて爪に栄養が届きにくくなってきたりといった身体の変化に伴い、爪の生育にムラが生じてくるのだとか。心配する必要はあまりなさそうですね。

＜横方向の溝＞
横方向に爪にへこみができている場合は、ある時期に爪の生成に異常が生じた可能性があります。こうした場合、爪が作られる爪母自体に障害が起きたり、身体に起きた何らかの異常が爪母に影響を与えていることが考えられるのだとか。こうした場合、爪に衝撃や圧迫などを受けたために爪母が影響を受け、ほんの一時的に爪がうまく作られなかったようなケースが多いようです。爪にダメージを受けてからへこんだ爪が作られるまでにタイムラグが生じるため、本人は爪を傷めたことを大抵忘れてしまっているのだとか。ただし、血管に関わるトラブルや、皮膚疾患、神経疾患や気管支疾患などを患っている場合も爪に横方向のへこみが生じることがあると言われています。爪のへこみだけで判断することはできませんが、その他自覚症状と併せて判断材料にすることはできるのではないでしょうか。

＜黒い線＞
爪に黒い線が入ったときは要注意と言われています。悪性黒色腫（メラノーマ）や、慢性副腎皮質機能低下症（アジソン病）など難病の可能性もあるのだとか。心当たりのある方は、皮膚科を受診されることをおすすめします。

＜爪が反る＞
反り返ってしまった爪は、匙状爪やスプーン爪と呼ばれます。指先に力がかかる職業の方や、アルカリ性の薬物を使用する人などに見られる症状とのことですが、鉄欠乏貧血が原因であることが多いのだそうです。貧血の心当たりがある方は、自分で食生活の改善を試みる前に医師に相談してみてはいかがでしょうか。

いかがでしたか。身体の変化が爪の状態に現れているというのは、意外なことではないでしょうか。日頃から、指のマッサージや爪の保湿などのケアを行うことで、今回ご紹介したような爪の変化も感じ取りやすくなるかと思います。綺麗なネイルも魅力的ですが、定期的に素の爪の様子も確認するようにしましょう。