食事と筋肉の関係性
筋肉量を増やすには、タンパク質を中心とした食事が不可欠だ。筋トレの目的によっては、トレーニング前後に糖質を上手く摂取して筋トレを充実させたり、回復を促進したりすることができる。近年、プロテインサプリメントやビタミン、ミネラルなどのサプリメントもコンビニで購入できるようになってきたし、フィットネスジムとのコラボレーションアイテムも売っている。コンビニの食事はダイエットに向かないという従来の考えが、徐々に変わってきているように感じる。
筋肉をつけるなら”タンパク質”が必要
タンパク質の摂取は、筋肉量の増加には不可欠だ。タンパク質は主に鶏肉や魚、卵といった食品から摂取でき、どれもコンビニで購入できる。サラダチキンやささみスモーク、お惣菜として売っている焼き魚やゆで卵、煮卵などを活用することができそうだ。植物性タンパク質に目を向けると、納豆も優秀な食品だ。近年は、プロテインも他のドリンクと一緒に棚に並んでいる。ジムでの筋トレ後にコンビニに寄ってプロテインを飲むことで、疲労した筋肉に効率よくタンパク質を取り入れることが可能だ。
また、タンパク質量だけでなく、アミノ酸スコアにも気を配るとベストだ。
体を動かすには”炭水化物”が必要
炭水化物は、摂取すると糖質として身体を動かすためのメインエネルギーとなる。車で言うところのガソリンだ。極端な食事制限中を除いて、筋トレ前の適切な炭水化物の摂取はその後の筋トレでしっかりパワーを発揮するための要素となる。逆に身体に糖質が枯渇した状態で筋トレに臨むと、エネルギー不足に陥り、力発揮が十分にできないだけでなく、疲労困憊に陥るのも早くなってしまう。筋肉を分解して糖質を得る身体の異化作用であるカタボリックも発生しやすい。さらに、ビタミンやミネラルといった栄養素も健康的に身体を変えていく上では重要なファクターとなる。
また、カロリーだけでなく、特にダイエットトレーニングの場合はGI値にも気を配る必要がある。
炭水化物の不足で筋肉が分解される
炭水化物を摂取せずに筋トレを行った場合、身体を動かすためのガソリンがないガス欠状態でパワーを出さなければならない。体内がガス欠状態のときはそれを回避するために筋肉を分解してしまうのだ。当然、筋トレの目的は筋肉を増やすことにあるはずだが、筋肉が分解されてしまうと逆効果となってしまう。さらに筋肉量の低下は代謝の低下となり、体脂肪を蓄えやすい状態になっていく。それにより、筋肉を付けて体脂肪を燃焼するという理想の形と逆行する現象が起こる。このような身体のエネルギー構造から、特に筋トレ前後の炭水化物のコントロールは非常に重要なのだ。
参照記事:
【カタボリックとは】筋トレの大敵・タンパク質異化について|適切な防止法も紹介
食事メニューは目的や時間に合わせる
ベストな食事のメニューは、最終的にどのような身体になりたいか、あるいは、どのタイミングで食事をするかによって変化する。どの栄養素をどのぐらいの割合で摂取するか、食事量や食事の回数、食べるタイミングも、目的とライフスタイルに応じてカスタマイズしていくことが重要だ。
筋肉増強が目的の場合
筋肉量を増やして身体を大きくすることが目標である場合、ダイエット目的の場合とは大きく異なる食事メニューが必要になる。まず前提として、筋肉増強のためには筋トレで身体に高負荷をかけるために糖質を多く摂取することが必要になる。普段よりも特に糖質とタンパク質を多く摂取し、体重増加を行おう。
どうしても脂肪がついてくるため、普段の食事の中で脂質の多い食品を控えると脂肪もあまりつかずに体重増加が狙える。それによって筋トレでのパワー発揮が大きくなり、挙上できる重量も上がっていくことで筋繊維の破壊が相乗効果で進んでいくのだ。もちろん、栄養バランスを保つための食材も同時に摂取したい。ビタミンやミネラルなどを摂取することで、筋肉で身体を大きくすることを助けてくれるだろう。また、お酒は筋肉増強において大きな障害となる。アルコールは男性ホルモンの分泌を阻害するため、筋肉の合成が抑制されてしまうのだ。
具体的な1日の食事
摂取カロリーのノルマから考えると、1日3食では間に合わないだろう。特に朝食をあまり摂らない習慣にある人は、生活習慣を大きく見直す必要が出てくる。筋肉増強のための食事は、朝のスタートダッシュが重要だ。朝食はご飯茶碗1~2杯に納豆1~2パック、卵1個に牛乳200ccと100%の柑橘系フルーツジュースでエネルギーも充足し、かつ栄養バランスも最適になるのでおススメしたい。
朝食が朝7時だとしたら、12時のランチまでに5時間の食間があるが、バルクアップ中は筋肉の分解を防ぐために10時に間食としてプロテインやささみスモーク、ゆで卵などを摂ろう。昼食と夕食も1000kcal程度の食事を心がけ、夕食までの食間も同様に埋めていく。就寝前は、就寝中の筋肉合成を促すために、プロテインなどを摂取してから床に就くのがいいだろう。
参照記事:
【筋トレの食事メニューレシピ例紹介】バルクアップ・ダイエットそれぞれに最適なカロリー・栄養素比率
ダイエットが目的の場合
ダイエットは「単に体重を減らすこと」と認識されていることが多いようだが、これは誤りである。ダイエットの正しい意味は、「健康的に痩せること」なのだ。つまり、しっかり食事と筋トレをしていく中で、その結果として体重を減らしていくのが正しいダイエットということだ。ダイエット目的の食事の基本はバランスよく最低限の食事を摂ることだ。それが代謝を高めて体脂肪燃焼を促進していくと同時に、摂取カロリーを減らし身体を引締めていく。
当然ながら、食事を抜いて単にカロリーを減らしたりすることはNGだ。筋肉量を維持することができず、代謝が低下して逆に太りやすい体質になり、リバウンドしやすくなってしまうためである。現在1日3食と仮定すると、1日のトータルの食事量は変えずに5~6食にこまめに分けて摂取するイメージが良いだろう。1回当たりの食事量を減らし、食間にその分を持っていくイメージだ。それによって胃袋が小さくなり、満腹と感じる度合いも低くなるため摂取カロリーが減っていく。このように、食事をきちんと行う中で摂取カロリーを抑えていくことが重要なのだ。
参照記事:
筋トレ食事メニュー例女性版|ダイエットに最適な食材と調理レシピ例をご紹介
具体的な1日の食事
食事の合間を空けすぎないことや、1日5~6食の考え方は筋肉増強の方法と同じだ。違いは食事量や運動の方法にある。まず、朝食はきちんと摂りたい。1日の中で糖質を摂るとすると、最も枯渇している朝が適切。昼食と夕食は空腹になりやすいため、量の増えすぎに注意が必要だ。外食ならばなるべく和食をチョイスしたい。鶏肉や魚介類のメニューを選べるためだ。中華やイタリアンは、どのメニューを選んでも高カロリーなため、避けたいところだ。間食としてプロテインやささみスモークの摂取も忘れてはならない。
ダイエットの前提は、常に摂取カロリー<消費カロリーを心がけること。少し食べすぎたと感じるときは、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を多めに行う必要がある。お酒にも注意が必要だ。アルコールは代謝を低下させるため、体脂肪を蓄えやすくむくみも出やすくなる。会食などでどうしても飲酒が避けられない場合は、ハイボールなどアルコール度数を薄くできるお酒をチョイスしよう。をチョイスしたい。ビールやワインはNGだ。
朝昼夕に摂る食事のポイント
筋トレの目的がどのようなものであっても、2~3時間おきに1食、1日5~6食のこまめな食事を心がけることで、効率的に身体を変えていくことができる。食事量は、目標が筋肉増強なら多めに食事を摂取し、ダイエットなら腹8分目未満となる。
朝食メニュー例
就寝中は何時間にも渡って栄養の摂取がなく、身体が枯渇している状態であるため、朝食の摂取は非常に重要になる。パンとコーヒーだけの人はゆで卵やツナサラダを追加したり、和食の人はおかずに焼き魚や納豆を含めたりすることでタンパク質を補給することができる。エネルギー補給という観点では、バナナやシリアルも有効だが、糖質過多になりやすく量には注意が必要だ。朝に固形物を摂ることが難しい場合はプロテインサプリメントやその他のサプリメントでの代用もいいが、ビタミンやミネラルといった他の大切な栄養素を考慮すれば、固形物から摂るのがベターだ。
昼食メニュー例
昼食で注意したいのは、外食が多くなることから炭水化物過多のメニューになりがちだということだ。外食なら、和食や定食をチョイスできるところを選びたい。鶏肉や魚介類などヘルシーなメニューが豊富なためである。同時にサラダや、海藻、キノコ類でビタミンやミネラルを補給できればベターだ。うどんやそば、丼ものには注意が必要で、特にコンビニ弁当は炭水化物や脂質を抑えるのが難しい。揚げ物は脂質をそのまま摂取することになってしまう。
夕食メニュー例
夕食の難しさは、就寝間近になることや会食などでコントロールが効きにくくなる点にある。夕食は、消化時間を考えて就寝3時間前には済ませておきたい。胃に固形物が残っている状態では入眠の質が低下し、十分な回復を得られなくなるからだ。会食も、お酒が避けられなかったりメニューのチョイスができなかったりといった懸念がある。
可能なら、鶏肉、魚、卵を中心としたメニューが豊富な居酒屋を選ぶのが良い。食事の始めに野菜をしっかり摂ることで満腹中枢を刺激して、摂取カロリー減に繋がる。血糖値の急激な上昇も防ぐことができるため、体脂肪の蓄積に対しても有効な工夫だ。最初に米や麺類などの炭水化物を摂取してしまうよりは、食事の締めとして少量にすることも重要だ。
筋トレ前後の食事にコンビニを利用する
コンビニでは、カロリーが高く糖質と脂質が多いものしか購入できないと思われがちだが、お惣菜やサラダチキン、ささみスモークのような高タンパクのものも多くなっている。プロテインサプリメントやその他のサプリメントも豊富になってきており、チョイスを間違えずに有効活用すれば、筋トレの味方になってくれるだろう。
コンビニでの食事は”主菜”から選ぶ
コンビニでのチョイスで重要なことは、おにぎりやパンではなく肉類や魚、卵といった主菜をしっかりと選んでいくことだ。チキンステーキやハンバーグ、焼き魚がお惣菜のコーナーにあるし、最近は焼き鳥の種類が揃っている店舗も多い。ゆで卵や納豆、豆腐といった食材も筋トレの味方となるだろう。注意点は、隣に菓子パンやチョコレート、スナック菓子のような身体づくりに不適切なものも並んでいるというところだろうか。誘惑に負けてはならない。
筋トレ前におすすめのコンビニ食品
筋トレ前には、筋トレで使うエネルギー補給を意識した食事を摂りたいところだ。例えば、バナナやオレンジジュースは素早くエネルギーとして吸収されやすく筋トレ前に適していると言えるだろう。アミノ酸が含まれているゼリー類は筋トレ前には有効だ。糖質を適度に補給できるだけでなく、アミノ酸を摂取することで筋トレ中の筋肉の分解を最小限にすることができるからだ。逆に筋トレ前に固形物をしっかり食べてしまうと、消化・吸収に時間がかかりパフォーマンスが低下する恐れがある。
おにぎり
炭水化物が大部分を占めるおにぎりは、筋トレの1時間半~2時間前の摂取は有効だが、消化と吸収に少々時間がかかるため、直前の摂取は避けたい。様々な種類の具があるが、鮭やシーチキンなどを選ぶことでタンパク質の補給にも繋がる。
菓子パン
菓子パンは糖質と脂質が多く、筋トレをする人にとっては避けたいコンビニ食品の1つだ。あえてチョイスするとすれば、比較的高タンパク、低脂質であるブランパンになるだろうか。
ゼリー状栄養食品
ゼリー類は素早いエネルギー変換ができる食品として優秀だ。手軽に摂取でき、中にはビタミンやミネラルが豊富なものもあるため、間食として利用するものアリだろう。胃に溜まらず、筋トレでの動きにも支障はないはずだ。
ブラックコーヒー
カフェインは一時的に血管を拡張させ、血流と酸素の運搬能力を促進させる働きがある。同時にアデノシンという眠気を感じる脳内物質を抑制し、交感神経を優位にさせるため、気持ちを筋トレに向けることにも有効だ。ただし、過剰摂取により下痢や吐き気などの健康被害もあるので注意が必要。また、利尿作用もあるため、トレーニング中に汗をかく人にはお勧めできない。
エナジー飲料
近年様々な種類のエナジー飲料のラインナップがあるが、共通してコーヒーと同じくカフェインが含まれているという点が特徴だ。他にはアミノ酸の一種であるアルギニンが血中の疲労物質の濃度を抑え、疲労感を軽減させてくれる。こちらも同様に過剰摂取により下痢や吐き気などの健康被害もあるので注意が必要
スポーツ飲料
スポーツ飲料も筋トレ前後に向いている。体内の水分量に関わる細胞の浸透圧を調整したり、筋肉や神経の働きをコントロールしたりする役割を果たす。特に有酸素運動を行う人は、体内の水分を著しく失うことになるため、トレーニング開始30分前からこまめに吸収させておくことが重要だ。トレーニング中にのどが渇いてがぶ飲みしても、一度に身体が吸収できる量には限りがあるからである。のどが渇いたと感じたときはすでに脱水を起こしている状態。水分はこまめに補給しよう。
BCAA飲料
BCAAもまた、筋肉を分解させずに筋トレを続けることに効果的である。BCAAとは、「Branched Chain Amino Acid(=分岐鎖アミノ酸)」の略で、体内で十分な量の産生ができない必須アミノ酸を含む栄養素だ。筋肉はタンパク質でできており、タンパク質はアミノ酸の結合体だ。このアミノ酸をセット間のインターバル中に摂取することで、筋肉のパフォーマンスを保ち効率的な筋トレができるだろう。
筋トレ直後におすすめのコンビニ食品
筋トレ直後は成長ホルモンが分泌されエネルギーの吸収が優れた状態なので積極的に栄養を摂りたい。近年はコンビニでもプロテインを購入できるようになったし、粉末のプロテインを水で割って摂取するものいいだろう。フレーバーも数多く、プロテインの味に対して飲みにくいイメージのある人もぜひ試してみてほしい。
焼き鳥
ホットスナックのコーナーには焼き鳥の種類が豊富だ。鶏ささみや砂肝はコンビニ食品の中でも貴重なタンパク質源になる。皮は脂質が大部分を占めるためチョイスは避けたい。
ちくわ
ちくわは魚介類からできているのでタンパク質摂取には向いているが、基本的に練り物には糖質が含まれているため、食べすぎには注意が必要だ。
サラダチキン
コンビニ食品で最も積極的に摂取したいものの1つがサラダチキンだろう。あらかじめ皮が剥いであり、糖質と脂質をほとんどカットした状態でタンパク質を摂取できる優れものだ。飽きがこないよう、味も多くのラインナップがある。細かくカットしてサラダと組み合わせる使い方もできるし、あらかじめスライスされている商品もあるので他の主菜と組み合わせてタンパク質量を上げることも可能だ。
コンビニ弁当
コンビニ弁当は糖質と脂質がかなり高いものが多い。白米もしっかり入っていることからカロリーも高めだし、おかずも調味料で調整されていて味の濃いものが多い。バルクアップが目的の人ならまだしも、ダイエット中の人にコンビニ弁当はミスマッチだ。
BCAA飲料
BCAAもまた、筋肉のリカバリーに一役買う。アミノ酸はタンパク質を分解しきった最小単位の分子であるため、素早く筋肉が吸収することができるのだ。体内の酵素で分解する工程を省けるため、トレーニング中に摂取することも望ましい飲料となる。
【目的別筋トレ前後のコンビニ食事】筋肥大・ダイエット別におすすめの間食や弁当もご紹介
筋トレと相性がよい食事<コンビニ別>
基本的にはタンパク質、脂質、糖質のバランスを考えコンビニで日々の食事メニューを組み立てよう。商品を手に取るとき、栄養成分表示に必ず目を通してから購入することを心がけてみてほしい。思っていたより糖質が多く高カロリーだと感じるものも、中にはあるはずだ。
ファミリマート
どのコンビニにも共通してあるサラダチキンや焼き鳥などの他に、ファミマのお惣菜ブランド、お母さん食堂には筋トレをする人に適したタンパク質源が豊富だ。どの価格帯にも1つ以上のお母さん食堂を含めてメニューを作ってみた。
500円以内で買える商品
・鶏の黒煎り七味焼き(税込298円)
・契約栽培大豆使用極小粒納豆(税込81円)
・直巻とり五目(税込120円)
合計499円
700円以内で買える商品
・炭火焼鳥ハラミタレ(税込128円)
・鶏もも塩焼き&軟骨入り鶏つくね(税込360円)
・契約栽培大豆使用極小粒納豆(税込81円)
・具たっぷり!鶏そぼろ(税込125円)
合計694円
1000円以内で買える商品
・グリルチキンゆず七味風味(税込189円)
・ピリ辛肉豆腐(税込398円)
・手巻焼き鮭(税込140円)
・和風だし香る8品目のおでん(税込213円)
合計940円
セブンイレブン
セブンイレブンにも同様に、筋トレ後のタンパク質摂取に向いている商品が多い。ファミマの場合と同様に、お惣菜やホットスナック、チルドなどをミックスしたメニュー例を見てみよう。
500円以内で買える商品
・切れてる厚焼き卵(税込138円)
・炙り焼きチキン(税込213円)
・具たっぷり手巻き牛めし(税込145円)
合計496円
700円以内で買える商品
・天然紅鮭の塩焼(税込356円)
・半熟煮卵2個入(税込159円)
・極小粒納豆3個入(税込73円)
・手巻きおにぎり炙り香ばしおかか(税込110円)
合計698円
1000円以内で買える商品
・砂肝の黒胡椒焼き(税込300円)
・金の直火焼きハンバーグ(税込386円)
・おでん(たまご、じゃがいも、鶏つくね串、計295円)
合計981円
筋トレの効果を下げない食事の工夫
タンパク質の積極的な摂取以外にも、筋肉量を増やすために身体の状態を保つためのポイントがある。食事量、回数、タイミングも重要なファクターとなり、適切な水分の摂取も身体の状態を正常に保つためには必要になる。残業などで食事のペースが崩れたときや体調不良の際にも、ベストな食事のチョイスをしたい。
1日1.5リットル以上の水を飲む
水分は、身体の恒常性を保つためになくてはならないものだ。筋トレをすると発汗量は増加し、水分補給をしないと身体のパフォーマンスは低下していくだろう。筋疲労した状態で水分量が不足すると、筋肉が攣ったり血流の悪化から肩こりや片頭痛になったりする一因にもなる。十分な水分補給で体内の水分を循環させ、新陳代謝を促していきたい。
高タンパクを心がける
筋トレを行う人にとって1食1食をいかに高タンパク食で行えるかは、最も基本的で最重要ポイントとなる。肉類、魚介類、卵、大豆類に多く含まれるタンパク質は、筋肉の合成を進めて代謝を向上させる。目標の摂取量は、体重×1.3~1.7gだ。60キロの人なら78~102gとなるが、これは鶏ささみで換算すると約6本食べてやっと届く量である。毎日の事でもあるので、プロテインなど簡単にタンパク質を摂取できるツールも駆使していきたい。
筋トレ後の栄養補給は積極的に
筋トレ後は成長ホルモンが分泌され、エネルギーの吸収が優れた状態。固形物は消化・吸収に時間を要するため、ベストなのは水で割ったプロテインだ。液体は固形物よりも吸収力に優れるため筋トレ後に摂っていきたい。
1日6食にわける
日本には1日3食という慣習があるが、身体のメカニズムから考えると筋トレをする人にとって3食では食事回数が足りない。食事と食事の間が空きすぎて身体が1つの飢餓状態になり、筋肉が分解される反応(カタボリック)が起きるためだ。例えば1日3食でお腹いっぱいまで食事をするダイエット目的の人は、その量を変えずに6食にこまめに分けることで、1度の食事量を少なくすることができる。そうすることで満腹の上限が下がり、結果的に摂取カロリーの絶対値を下げることができるのだ。
残業で夕食が遅くなるときは”分食”
残業や会食で食事のリズムが乱れたとき、一気に食事をしてしまうことが最も危険なケースだ。多忙なライフスタイルの中で、筋トレで結果を出すためには、この点をいかにクリアしていくかがカギになってくる。満腹状態では血糖値の上昇に伴い、血中の糖を細胞に取り込み、エネルギーに変えていくが、使いきれなかった糖は体脂肪として身体に蓄積するという望ましくない反応を起こす。
就寝直前に固形物をしっかり食べてしまうと、内臓が働いている状態で睡眠をすることになり、身体が十分に回復できなくなる。胃の中に食べたものが滞留し、必要以上にエネルギーを吸収してしまうことにも繋がるのだ。残業で遅くなったときは、摂取エネルギーをいつもよりも控えるようにしたい。
朝食の時間がないときは”プロテイン”
ベストな選択ではないが、時間がないときは朝食にプロテインを用いることも可能だ。注意点は、食事をプロテインに頼る癖がついてしまうとその他の必要な栄養素が足りなくなってくる。あくまで固形物の主菜による食事がある中で、足りない分をプロテインサプリメントやその他のサプリメントで埋めていくという考え方をしてほしい。プロテインサプリメントやその他のサプリメントは、あくまで足りない分を補う栄養補助食品だ。