妊娠週数が進んで予定日が近づいてくると、自然に子宮内の羊膜などからプロスタグランジンが分泌されるようになります。お産に作用するプロスタグランジンには2種類あり、子宮口を柔らかくする作用があるプロスタグランジンE2が先に分泌されます。この時期は、前駆陣痛から子宮口が4cmくらいまで開く頃です。まだまだ余裕があり、陣痛の合間に話したり食べたりもできる時期です。十分に子宮口が柔らかく開きやすくなってくると、プロスタグランジンF2αにバトンタッチします。ここから、陣痛が徐々に強まっていきます。
お産を左右する4つのホルモン
25,029 View妊娠中の女性の体調は、ホルモンによって大きく左右されるもの。お産に関わる4つのホルモンの性質を知って、気持ち良くお産をする方法を妊娠中から考えておきましょう。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10112000277①プロスタグランジン
②オキシトシン
お産が佳境になって子宮口全開大頃になると、オキシトシンの分泌が進みます。オキシトシンは、別名愛情ホルモンとも言われています。お産の時だけでなく日常生活の中でも分泌され、「幸せだなぁ」「楽しいなぁ」というポジティブな気持ちになると、分泌が進むと言われています。お産の佳境の中で、そんな風に思えないんじゃないかと不安になる方もいるかもしれません。陣痛には波があるので、強い波が来た後にはホッと一息つく瞬間があります。そんな時にふっと気持ちを楽にすることができればオキシトシンが一気に分泌され、お産がグングン進んでいきます。
③βエンドルフィン
脳内麻薬とも言われるように多幸感をもたらし、鎮痛作用にもつながるホルモンです。穏やかなお産では、初産婦の80%、経産婦の50%で眠気が催されます。これをスローダウンと言い、リラックスした状態で落ち着いた気分になります。お産の最中に眠いなんて、と必死で起きようと頑張る方もいますが、お産の最中でも眠い時には眠ったら良いのです。一瞬ウトウトすると、次の瞬間には陣痛で起こされます。その一瞬の睡眠でβエンドルフィンが作用し、強い陣痛を乗り越えることができるようになります。
④アドレナリン
闘争ホルモンとも言われ、不安な時や怖い時、お産に集中できずに気が散っている時に分泌が増えるホルモンです。血圧が上昇して脈が速くなり、呼吸が不安定になります。アドレナリンの分泌が増えると、オキシトシンやβエンドルフィンの分泌が抑えられ、痛みが強くなり、さらに不安が増してきます。お産の進行を妨げるだけでなく、血管収縮作用により赤ちゃんも苦しくなってしまう恐れがあります。
アドレナリンの分泌を抑えるには、「何分くらいで陣痛が来ているんだろう」「もう5時間も頑張っているのに…」「あとどれくらいで産まれるんだろう」「次の陣痛が来るの嫌だなぁ」など、色々と考えすぎないことです。お産の流れに身を任せて、静かな暗い環境で陣痛の波を感じていると、自然にアドレナリンは抑えられます。
まとめ
初めてのお産に限らず、2回目、3回目でもお産はやっぱり不安なもの。いつ陣痛が始まるのか、どのように進むのか、もし先に破水したらどうしよう、自分にわかるだろうか、など心配事は尽きないかもしれません。しかし、過度に不安になってしまうことで、お産をこじれさせてしまうことも。ここで紹介したホルモンの作用を考えても、お産において妊婦さんがリラックスしていることはとても大切なことです。どうしたら自分がリラックスする環境を作れるか、ぜひ出産までに考えてみてくださいね。
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