オーストリア・インスブルックに移住して早3年がたち、子どもたちはすっかり地元方言のドイツ語を話す地元っ子に成長しています。
こちらに来てからしばらくたった頃に気がついたのが、我が子がクラスでどのくらいお勉強ができるのか、どのくらいスポーツができるのかがよくわからない、ということ。
日本にいた頃は、保育園や幼稚園の頃から、参観日や発表会、運動会などを通して、我が子が同じクラスの子たちと比べて、どのくらいできているのか、どのくらいできないのかがおのずと見えてくるような機会が多かった気がします。テストや運動会などでも順位がつき、優劣も一目瞭然。自分の子どもが相対的にみて、どのくらいの位置(順位)にいるのか、比べたくなくても見えてくる、という感じ。
「ほら、XXちゃんはあんなにできているのに、どうしてあなたはできないの?」「XXちゃんみたいに早く走れたらいいのにね。」なんて人と比べるコトバを子どもたちに言いたくなかった私は、ついついそんなコトバが口をついてしまいそうになる度に、ぐっと我慢して飲み込んでいたことを思い出します。
子どもがぐんぐん伸びる!比べない、比べられない子育て
6,718 Viewオーストリアで体感している「比べない、比べられない教育」。誰もが特別、誰もが素敵なものを持っている。そんな風に育てられたら、自分に自信が持てる子どもになるのではないでしょうか?比べないことで、親も子どもものびのび、おおらか、幸せです。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161000395比べる、比べられる、ということ
順位をつけない、比べない教育
ところが、ここオーストリアに来てから、他の子と比べるということがほとんどない、そして、どうやらそのことは親にとっても子どもにとっても精神的に楽らしい、という事に気がつきました。
学校の先生が成績をつける際も、平均点よりも上か下かという付け方ではなくて、その子が前期と比べてどう頑張ったか、どう積極的に授業に参加したかに着目しているし、スポーツ大会でも順位はめったにつきません。例えばスキー合宿のレースでもみんなががんばったから、みんながメダルをもらう。
それぞれの得意なこと、いいところは、とっても褒めてもらえて、苦手な部分はあまりスポットをあてられることがない。
だから、みんながそれぞれ特別な存在だと認め合い、自信に満ちているのかもしれません。それは、ひとつのモノサシで計られて、順位をつけられることがないからなのでは、と思います。
みんながナンバー1、みんなが特別
オーストリアで小学校の教師をしている義姉から、こんな話を聞いて思わず笑ってしまいました。
彼女は通知表を渡す時の個人面談で、「あなたが予想する今学期の成績を書いてみて。」と子どもたちに聞くのだそうです。それは子どもたちが、どのくらい子どもたちが自分のことを客観的に見られているのかを探るためにする質問とのことですが、ほとんどの子どもたちが、自分はオールAだと思うと自信満々に答えるといいます。子どもの学力を知る先生は絶句してしまう場面もあるようですが(笑)
比べる、比べられるという機会があまりないから、相対的にみて(人と比べて)自分はどのくらいの位置にいるのかを判断できる子は、あまりいないようです。それって問題よね、と義姉は苦笑していたけれど、私はそれでいいじゃない、と思うのです。
自分が集団のなかでどのくらいの順序に位置しているのかを、優劣を常に意識するよりも、誰もが特別な存在で自信をもっていいのだと思える方が、幸せだと思うのです。
比べないと、らくちん、のびのび!
親にとっても、他の子と比べることから不安や焦りが生まれ、自分の子どもにいらぬプレッシャーをかけてしまったり、ありのままの子どもの姿を認められなくなったり、という弊害があるような気がします。
比べることで子育てを、親である自分を苦しくしてしまうことってありませんか?
「人間の不幸は人と比べることから始まる」と言ったのは誰だったでしょうか。比べない子育ては、子どもにとっても、親にとっても、楽チンで幸せなものかもしれない、と思う今日この頃です。
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