ママ会でのこんなやりとり、あるあるネタだったりしませんか?
夫と妻の家事に対する考え方の違いから、衝突が起きるのは本当によくある事で、「育ってきた環境が違うから、しょうがない」と諦めている方も多いと思います。
しかし、あきらめて、どちらかが耐え続ける状態が続くと、ある時どかーんと爆発してしまいます。
そうなる前に、まずはどうして家事に対する考え方がすれ違うのか?を考えてみたいと思います。
先日読んだ「職場の問題地図」という本にこんな図が出てきました。
仕事には
「それをやらなくては仕事として成立しなくなる」=「当たり前部分」と、
「やらなくてもいいけど、やっておくと喜ばれる」=「付加価値部分」があり、
「当たり前部分」と「付加価値部分」の境目がその仕事の「サービスレベル」と呼ばれるものになるそうです。
この「サービスレベル」は仕事によって大きく変わるのです。
例えば、外食をする場合のサービスレベルで考えてみましょう。
<牛丼店の場合>
ご飯を食べられることが「当たり前部分」になります。
もちろん店舗によっては豪華な内装の場所などもあると思いますが、席ごとに給仕がつくことはまずないですよね。
一般的に客はそこまでは求めません。
<高級レストランの場合>
一方、高級レストランの場合は「当たり前部分」としてもう少し高いレベルが求められます。
ご飯が食べられるのはもちろん、豪華食器や内装、給仕係の存在、静かで落ち着いた空間…など、客が要求するサービスレベルも高くなります。
この「サービスレベル」の考え方を家事に当てはめてみると、どうして夫婦が衝突するのかが少し見えてくるように思います。
外食の例でいくと、妻は高級レストランのようなサービスレベルを考えているのに、夫は牛丼屋のようなサービスレベルだと思っているとそこにギャップが生まれるので、衝突が起きやすくなるのです。
家でつくる夕食は牛丼屋だと思っている夫に、妻は高級レストランのようなサービスを期待してしまったりしていると考えるとわかりやすいでしょうか。
夫婦の間で、サービスレベルの認識の差が大きいと衝突が起きるのだと思います。
それによって、お互いに「当たり前部分」をきちんとこなしているのに、相手に不満が生まれてしまうという不幸な状態に陥ります。
まずはお互いの中で「当たり前部分」と「付加価値部分」を洗い出し、それを元に「我が家のサービスレベル」はどこに設定するのが妥当なのかを話し合うことが重要になってきます。
イラストの家庭では、食べた後の片付けまでを「家で家族に夕食をつくる」のサービスレベルに決めることになりそうですね。
しかし、例えば夫が「どうしても片付けは苦手!」と主張した場合は、「栄養バランスの良いメニューを考える」ところまでをサービスレベルにすることになりそうです。
それでも妻が「調理器具や食器がきれいに片付いている」ところを譲りたくない場合。
じゃあその部分は食洗機にまかせよう…というように、別の方法も考えることができるようになると思います。
お互いに無理をしないで納得のいく方法にたどり着けるというわけです。
お互いが思う「家事のサービスレベル」に差があると、とてもストレスがたまってしまうと思います。
この記事が、夫婦間で家事についての「サービスレベル」を改めて見直して、そんなストレスを解消するきっかけになったら良いなと思っています。
※本文内では分かりやすさを優先して、家事の主担当者を「妻」、副担当を「夫」と記述しています。