保育所には連絡ノートというものがありまして、
担当の先生が保育所での日々の様子を
ていねいに書き綴ってくださっています。
これを読むのが毎日の楽しみ。
「今日は紅葉のきれいな公園に行きました。
一生懸命落ち葉を拾っていましたよ」
「お散歩中に泣かなくなりました。
お友達とちゃんと手をつないで仲良く歩いています」
我が子の姿を想像しながら読みます。
私たちの手を離れた場所で、
小さな身体でがんばっているんだなあと
胸が熱くなることもしばしば。
そんな毎日の楽しみである連絡ノートを
読んでいて、ある日衝撃が走りました。
「今日はお友達のかずくんと手を握り合って、
ジィッと見つめ合っていましたよ」
「公園で遊ぶ時もずっとかずくんと一緒でした」
1歳ムスメの“初恋”に、魂がフーッと抜けてゴゥゥゥってなった、ぼく(父)の話。
62,642 Viewツイッタ―で大人気“あおむろひろゆきさん”の書籍「新米おとうちゃんと小さな怪獣」。全6回に分けて、エピソードをご紹介します。2つ目のお話は「娘の初恋」について。
エピソード2「初恋の風は突然に」
全身にビリビリと電流が流れる、というよりは
魂がフーッと抜けてゆくような感じ。
人は遅かれ早かれ恋をするとは思いますが、
やはり愛する我が子のこととなると、
複雑な気持ちになるものです。
お風呂に入っている時にさりげなく
「かずくんのこと、好きなん?」
と聞いても無言で首を横に振るだけなので、
余計にもやもや。
ちょうどその数日後に
保育所の参観日があったので、
我が子の未来の結婚相手かもしれない
かずくんのことを、
しっかりとこの目で確かめることにしました。
参観日当日。
かずくんは1歳過ぎにしては
とても礼儀正しく、
かつなぜか私に甘えてくるので、
参観が終わる頃には
私もすっかりかずくんのことが
大好きになってしまいました。
我が子も良い相手を見つけたものだと
晴れやかな気持ちになりました。
その数日後の連絡ノートには
「今日は◎◎くんとベッタリでしたよ。
かずくんが隣に来ても無視でした」
と書かれていました。
乙女心は難しいものですね……。
かずくん、ごめんなさいね。
***
「ママじゃなきゃ、イヤ!」
「パパと結婚する。」
…そう言っていたわが子が
世界を広げ、大好きな人を増やしていく。
そんな成長を嬉しいと思う半面、
寂しいような、切ないような、
そんな気持ちになってしまうのも
親ならではの感情かもしれません。
このお話が収録されている、
「新米おとうちゃんと小さな怪獣」は
こちらから購入できます。
(編集:コノビー編集部 三輪ひかり)
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